
九州新幹線が開通して1年半が経ちますが、
うさこ(1歳3ヶ月)も生まれ、ちびこさん(おなか7ヶ月)も安定期に入り、
ようやく新幹線でなら、って旅行許可も出たのでここらで鹿児島に行ってみることにしました。
お正月は沖縄に行こうと思っていたのに、飛行機はやはりイカンと言われまして。
とはいえ、私は南九州は初めてでして、福岡、大分、熊本どまりだったので
行ったことのない地に行けるってんで旅行前はかなりのハイテンションでありました。
都内にいるとなかなか行けないんだよね、南九州、下四国、山陰あたり。


九州新幹線「さくら」で鹿児島中央駅に到着し、まず真っ先に向かったのが
こちら路面電車いづろ通り駅を下車して数分の「のぼる屋」。
天文館通りからでも歩いていけます。

「1000円ラーメン」として非常に鹿児島では有名なこのお店、
事前に鹿児島ラーメンを調べていた際、値段を見て旦那が真っ先に候補から外したため
駅に着いて旦那はすぐに黒豚カツの店に向かい、ここへは私だけ訪問となった。
旦那曰く「地方で1000円のラーメンなんてバカじゃなかろうか」とのことだったが
「ここの店の味は、味そのもので計れるものではない」という評価を読んで訪れてみた。
席につくと自動的にお茶とおしぼりと漬物が出される。
注文をしなくても、ここはメニューが「ラーメン 1000円」しかないのだ。

店を見てまず驚くのはその店舗外装だろう。
いったいいつ頃建てられたものなのか。
入り口は2箇所あり、間違えて裏口から入ってしまい店員の女性に
「入り口はこちらですよ」と案内されたが裏口にものれんがあった。
こちらは2階の座敷席への階段につながっている入り口のようだ。
出てきたラーメンは思ったよりも量が多い。
久留米でも思ったが麺がまず、どっさりと入っているのだ、結構な量になる。
スープは、豚骨は薄め、鶏ガラ、野菜、にぼしの味もしたような。
とにかくいろんなものが複雑に入っている味で、長い間をかけて出来上がったような味。
一見素朴で古き良きおだやかなスープの味なのに、結構雑多なのだ。
麺がまた特徴的で、細くて平たいうどん、という感じ。量があるのにこれのおかげで
おなかいっぱいになる。鹿児島で他にもラーメンを食べたがこんな麺は他にはなかった。
特筆すべき点として、店内はカウンター席で、カウンターの向こう(間違えて入った入口は
このカウンター裏側に繋がっている)にはおばちゃん、おばあちゃんたちが8人ほどいる。
カウンター席自体は10席(小上がりに小さなテーブル席があり2人座れる)なので、
まるでその光景はガールズバーのようである。客1〜2人に対し、店員が1人。
常連客はもとより、出張中とおぼしき一見さんにも話しかけるおばちゃんたち。
ガールズ婆ーのぼる屋である。
奥座敷にちょこんと鎮座している80を超えているように見えるおばあちゃんは
壁にかけてある写真を見る限り、どうやら創始者のよう。
お店にお客が入るたび、出るたびに頭をさげている。東池袋大勝軒のようだ・・・

白昼夢をみているような気分になりながら「のぼる屋」を出ると、店の前で旦那が
うさこのベビーカーを揺らしながら強風のせいで舞う桜島の灰にまみれていた。
そのままホテルへ向かう途中にあった「小金太」へ入ることにする。
ここでも席について注文をするとおしんこが出てきた。こちらはお水。
鹿児島ラーメンの大きな特徴として「おしんこが出てくる」というのがある。
ラーメン食べ歩きをして長いが、鹿児島ラーメンと言われこれといった特徴は
浮かばなかったくらい、強い特徴のないラーメン地帯のはずだが、これだけは特殊。

こちら「小金太」もどんぶりいっぱいまでのスープにどっさり麺。
久留米の「丸幸」を思い出したよ。九州ってどんぶりすりきり一杯までの
スープにどっさり麺ってところが多い気がする。博多はそんなことないけど。
麺が、棒ラーメンの鹿児島ラーメンとそっくり。
トンコツもにんにくもあまり強くなく、ちょっとしょっぱい。
九州といえばトンコツ強めのイメージだし、熊本が隣なのでニンニクのイメージが
あったんだけど、鹿児島ラーメンはそのどちらも穏やかな使われ方をしてる気がする。
特筆すべき点は・・・ないなあ。チャーシューがトロトロでネギ入れ放題ってとこかな。
中国地方独特だと思っていた細もやしが鹿児島でも出てきたのが意外だった。
ちなみにここは鹿児島ラーメンの食べログで1位、飲みの〆に重宝されているようで
ややしょっからいのはそのためかな?鹿児島ラーメンの平均的な味付けと見ていいのかも。
写真はラーメンSサイズ550円。普通のラーメンは650円。
SSサイズもあって、450円だった。食べ歩きや飲みの〆にはありがたい小サイズ。


ホテルから歩いてすぐそばにあった、天文館の「のり一」。
「のり〜」ではなく「のりいち」である。そんな読み間違えをするのは旦那くらいだろうが。
鹿児島に行くと言った際、複数から「のり一」に行ってみれば?と言われ、
食べログでも2位、まあ食べログの順位なんてあってないようなもんだが、
それでも気になって行ってみることにした。
しかしこのラーメン、決して鹿児島らしいラーメンではない。

ここでも細もやし。
呉で一番有名らしいラーメン屋「モリス」(西荻タンメンはつねの劣悪バージョン)
に似ているが、「モリス」よりはるかに美味いうえに300円でおしんこ付き。
(西荻窪「はつね」のタンメンは神の領域の味なのでモリスなんかと比べたくもないわ)
味も鳥ガラ塩味で、飲んだあとに美味く感じるように作られており、量も少なめ。
でも、これで300円は素晴らしいね。美味いしね。
ラーメンのほかには、メニューは「めし」「おにぎり」「ゆで卵」「卵かけごはん」のみ。
20時までは中サイズ300円、大サイズ350円だけど、
20時過ぎると、それぞれ400円、450円に値上がりするシステム。
鹿児島は変わったお店が多いなあ。しかもそれらがランキング上位って・・
ここは「ラーメンやお好み焼きは安く庶民的値段であるべき食べ物だ」が信条の旦那が
ものすごく感動したうえに「モリスより美味くてモリスよりはるかに安いとは素晴らしい」
とか酷いことをのたまっていた。
鹿児島ラーメンツアー後編に続く。