
もう5年ほども前になるか、
私が就職していた会社を辞めた年のGWから、
全国を転々とするリゾートアルバイターに転身した。
GWは軽井沢、初夏は富士山山頂、夏は白馬で秋は野辺山。
それまでたいして自由もなかった人生だったので、目新しく、楽しい1年だった。
リゾートアルバイター生活は去年の春まで続くが、
5年前のこの年、冬に行ったのが北海道は知床だった。

全国をフラフラしていてあちこちで友人も出来、
その友人のひとりに薦められたのがここだったのだが、
冬の知床は1時間で飽きる流氷と極寒だけが名物の、
あとは閉ざされた地にありがちな身内身内した人間関係の濃い場所だったが、
珍しい食べ物が旨かったのはありがたかった。
休日には凍った海をどこまでも散歩し(※上の画像)
気が向けば、仲良くなった居酒屋の店主とカニを食らう。
酒と珍味好きの人間には嬉しい日々だった。
2月の上旬から3月下旬の2ヶ月近くをここで過ごした。
いちばん上の画像の、フレペの滝(乙女の涙)は、
わたしのいちばん好きな場所で、滝が青く凍りつき、それはそれは絶景だった。
その周囲を、かろうじて残った草を食む蝦夷鹿。
落ちれば命のない滝のフチを、私と鹿でぼんやりと日が暮れるまで過ごした。
ちなみに休日に私が部屋にいないときは、だいたい職場の方が
フレペの滝まで私を探しにきていた。かなりの距離があるが、暇なのか。


左が「蝦夷鹿」右が「ヒグマ」
どちらも刺身である。
このとき食べた蝦夷鹿の刺身はあっさりしすぎで身が軽い味。
逆にヒグマの刺身は濃厚で、動物味が強かった。肉食だから?


これは「トド」の刺身で、これはヒグマと鹿の中間くらいの強さの味。
濃厚というよりは・・・なんだかよくわからない濃い目の動物の味?
別段、旨い!というわけではないがとりいってマズイわけでもなかった。
いちばん旨かったのは断然ヒグマで、これはもう一度食べたいと思ったが、
実はヒグマやらトドやらは、生で食べるには相当なリスクを背負うらしく、
自分の身体が大事なら、そうそう食べるもんではないなんて話も後日聞いた。
右の画像は、流氷をアップで撮ったものだが、
流氷をクール宅急便で送るシステム2800円なんてのもあった。
流氷のうえをずっとずっと歩いて散歩するのは楽しかったが、
場所を誤るとそのまま川向こうまで散歩できる可能性もあるので注意だ。
当時、デジカメもなく、携帯で(しかも5年前の)で撮影したため、
かなりのサイズの小ささと画像の悪さがご容赦願いたい。