2012年03月12日

青山「ブノワ」とフランス料理の歴史

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さて今回の「西へ」は、フランスです。
本職のくせに長々と出さなかったのはこの数年、アジア料理ブームが私の中で大旋風を巻き起こしていたからです。
おフランスといえばイヤミのシェーしか浮かばない庶民の皆様に、
フランス料理の歴史とマナーをかいつまみながら美味しそうな写真を流してゆきたいと思います。
今回は、青山表参道「ブノワ」です。ディナーでもふたりで3〜4万と、リーズナブルなお店です。


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イタリアンと似たようなものでしょ?と混合されたり、ゴテゴテのコースだよね?などと言われがちな、
フレンチですが、今では昔のような重たいソースを使ったような古きフランス料理は
ほとんど見かけなくなりました。どこにでもありそうなホテルの結婚式などで出てくる
フレンチのコース、あれがいわゆる旧式のフレンチのコースでしょうか。
もともと、フランス料理というのは、イタリアからフランスへお抱えシェフと共に嫁いできたお姫様が、
フランス宮廷内に広めたのが発祥と言われています、などという堅苦しい話をしても
一般人の皆様にはどうでもいいと思いますのでかいつまんで言いますと、

イタリア→フランス宮廷に広まる→革命後に宮廷を追い出されたシェフたちがフランス国内やロシアに
広めて一般的になる→そのころは日本と同じく、すべての皿を最初に出してていたのが、
熱いものは熱いうちに、冷たいものは冷たいうちに食べられるようにと、寒い国、ロシアでの作法、
コース料理がフランスに逆輸入され今の「コース」が確立→ゴテゴテのクリームソースが特徴だった
旧式フランス料理のソースが、70年代、日本の懐石料理などを参考とし、軽めの新しいフランス料理、
ヌーベルキュイジーヌを確立、今のフレンチができあがる。という感じです。わかりやすいね。

上の写真はアミューズと言って、レストランだと食前酒のために出てくるちいさなお料理。
食前酒はおそらくシャンパンや白ワインだろうと想定されて作られてます。
結婚式なんかだと、アミューズは省かれることが多いです。出るところもあるけど。
これはカレーパウダーかなにかの風味を効かせたパテだったと思いますが忘れました。


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オードブル。
前菜って意味です。これはなんだったかな。鴨となにかのテリーヌだったと思います。
フレンチでよく見かけるこの食パンのような形のお料理は、テリーヌっていいまして、
テリーヌ型という型に切り口が美しく見えるように材料を詰めて、切って出すお料理です。
よくわかんない人は、金太郎アメでも想像しててください。
テリーヌって言葉自体は、型そのもののことを指すんですが、料理自体のことも言うようになりました。
型が食パン型からドーム型までいろいろあります。


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スープ。
そら豆と何かのスープにサーモンマリネのなんたらかんたらだった気がします。

上で、イタリアからフランスに料理が伝わった、とありますが、
ではイタリアンとフレンチは似ているかといわれたらまるで似ていません。
イタリアンというのはそもそも、発祥は家庭料理です。いわゆるマンマの料理ってやつです。
なので、基本はまずパスタ。そしてトマト、チーズにバジルだったり何だったりのハーブ系。
そして馬鹿のひとつ覚えのオリーブオイル。ニンニク。
そういわれると確かに、材料は同じものを多く使っていると思いませんか。
これはイタリアンに限った話ではなく、インドでも、家庭料理にはいつも似たようなスパイス。
だからどれもカレーのような風味になる。(気候も、暑い国だからスパイスを使うというのも理由だが)
日本でも実はそう。和食の味付けは基本、醤油、砂糖、塩、おだし、みりん、酒。
家庭で毎日作るものにそんなにお金はかけられないため、どこの国でも基本、同じ味付けに材料なんですね。
なので、宮廷料理から広まったフレンチと、家庭料理から広まったイタリアン、
フレンチの発祥はイタリアンにも関わらず、そもそものお金の掛け方が違うのでこんなにも差があるんです。


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お魚料理。フランス語でポワソンです。
温野菜に埋まってなんの魚だったかわからないし忘れてるので思い出せないですがなにかの魚です。


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なので、
連れのかりかりお魚グリエも出しておく。

よく、どのカトラリー(えーと、フォークとかナイフのこと)を使っていいのかわからない、
外側から使うの?とかなんとかありますけど、1枚目の画像を見ていただいてわかるように、
今は、お料理ごとにカトラリーを出してくれるレストランがほとんどです。
でも、ウェディングなんかだと、最初からセットされていることが今でも多いです。
外側から使う、で正解です。ちなみにお皿の上に置かれているのはデザート用です。
でも別に、間違って使っちゃったからってそんな無作法ってわけでもないんですね。
食べやすいもので食べていい。そんなことで嫌な顔をするお店の方がいたなら、それはプロ意識がないだけです。
お魚料理のカトラリーは、バターナイフのようなナイフであることがたまにありますが、
使いにくいこともありますし、「だってこっちのほうが食べやすかったから」でいいと思ってます。


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お肉料理。フランス語でヴィアンド。
これはフォアグラですかね。フォアグラは肉料理に含まれます。
んで、意外や(意外でもないか)、甘いソースと合うので、一緒に出されることが多いです。
甘いというか、甘くて酸味がある、ですかね。右はリンゴ。下がカブ。
どれも甘みのあるもガロニ(つけあわせ野菜)と合わせてあります。

結婚式などのコースだと、お魚とお肉の間にシャーベットが出されることがありますが、
これはソルベと言って、お口直しです。魚の臭みを消すためのもの。寿司でいうところのガリです。
また、結婚式のコースだとなぜかお肉料理のときにミニサラダが付いてくることがあります。
安っぽいホテルだとなぜか必ずミニサラダが付いてきます。ダサいです。でも付いてきます。
ライスが出てくるところもあります。こういっちゃ何なんですが、日本独特のフレンチって
いまだに安っぽいホテルなんかで使われてるけど非常にダッサいです。もう一度言いますけどダサいです。


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デザート。フランス語でデセル。
ドラマ「ハングリー」でもよく使われてる言葉です。
あのドラマ、料理はめちゃめちゃうまそうだし、これぞヌーベルキュイジーヌって感じの
オサレ料理がガンガン出てきますが、「貧乏くさいレストラン」のはずの主人公の店で
使われているカトラリーもグラスも、めちゃめちゃ金のかかったオサレデザインのものなので興ざめです。
気になって仕方ない。安いレストランには安っぽい、ぶ厚いグラスやゴテゴテしたダサいカトラリーばかりだよ。

個人的に「ブノワ」のデセルはごってりと甘くて苦手だったのでコメントなし。
かつてフランス宮廷料理から一般家庭へとフレンチが伝わり、お金持ちのおうちでコース料理が出された奔りは
「ウチはこんなにも豪勢に料理が出せるほどお金持ちです」とアピールするため、
今のような、「アミューズ→オードブル→スープ→ポワソン→ソルベ→ヴィアンド→デセル」という料理の他に
ありとあらゆる料理が付属されていました。今でいうと、会社経営者がたとえかつかつの経営状態でも
儲かっていると見せかけ、顧客を安心させるために高い時計を身に付けるようなものでしょうか。
無駄に多かった料理は最後まで食べられることなく、捨てられるものも多かったと思います。
コンパクトに削られ、こてこてのソース料理から脱出し、新しくおしゃれにまとまったフレンチは、
今では想像される古典的フレンチとはまるで違ったものになっています。
機会があればぜひ、食べてみてください。和食を取り入れた現代風料理のいい意味の軽さに驚かれるかと思います。




てめえみたいにランチで6万もかけてたようなくるくるぱーとは違うんだよ、
夕飯に3万4万かけられっか!という方々のための、ごく普通のフレンチレストランも出しとく。

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丸の内の「RESONANCE」(だっけ?)のランチのテリーヌ。

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ランチでたぶん2000円はいかなかったと思う。
旨かったけど店員も愛想があんまよくなかったな。
まだ大手町で仕事してたころ行ってた。

ここでオマケの、ためになる立食パーティーのマナー。

端に並べられたイスは荷物を置くため、もしくは体調が悪い方やお年寄りのためのもの。
普通は座らないのがマナー。日本人女性に多いのが、この端のイスをあろうことか
テーブルにくっつけて座って食べようとするアホ。
そもそもこの立食のテーブル、占領して食べるためのものではなく、
片手に皿、片手にフォークを持って食べるので、ドリンクを置くためだけに利用するテーブルなんですね。
なので、日本人はなぜかテーブルに皿を並べたてて独占して使用していますが(特に年配者や女性)
立食はすべての人がそんなふうに利用できるほどテーブルは置いていないため、他者のいい迷惑です。
では立食でのその皿の使い方。
盛り盛りに盛り付けてテーブルに並べたてて独占しているアホな日本人女性のその使い方、
そんなことしてれば当然、テーブルに置かざるを得なくなりますよね。
「じゃあどうすりゃいいのよ!」って憤慨してるそこのブサイクなアナタ、
立食では、ひとつのお皿に、そのとき自分が食べるぶんだけ盛り、
食べ終わったらまたその都度とりにいくのがマナーです。
「ちょっと奥さん!あなたのぶんの肉もとってきたわよ!」
みたいなオバサンの使い方だと、そりゃテーブルも独占せざるを得なくなるでしょうが、
そもそもそんな食べ方自体がマナー違反なのでした。こういう光景って日本人独特だよね。


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これも丸の内の「VIRON」
3000円かそこらのランチコースだったと思う。
まだブール(バターのこと)が無塩のエシレを使ってたりしてた。(バターに名前が刺さっててわろた)
今は販売制限になったんだっけ?なんか当時そんなニュースを読んだような。

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結婚するまでは、アホかっていうくらい食にお金かけて、日に1万2万、
本格的に食べに行くなら5〜6万は裕に使ったりと無茶苦茶な食生活でしたが、
仕事仕事でほとんど休みもなく、それが唯一のストレス解消の手段でもありました。
今考えると笑えますが、結婚前に好き勝手暮らせたのは、よかったのかもなーと思ってます。

posted by さくらこ at 17:10| 東京 ☀| Comment(0) | Restaurant | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年06月24日

「タテルヨシノ」初のディナー

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そういえば「タテルヨシノ」には7度ほどお邪魔させていただいているのだが
一度もディナーで来たことがない。
今日は「げつようび、おやすみにしたー」というおぢさんと
お昼過ぎで用事の終わった私の都合が珍しく合ったので、
芝パークホテルの「タテルヨシノ」にディナーでお邪魔させていただいた。


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他店のようにあまり派手にメニューの入れ替えがないため、
だいたい同じようなメニューになるのだが、ディナーだとまた違うメニューになるみたいだ。
アミューズはヤギのミルクのブランマンジェ、アロエのジュレ。
以前はビーツをかけたものだったが、夏仕様になっていた。
上は、もうひとつのアミューズ。トビウオのマリネ。
いつものカワハギのマリネと味付けが基本的に同じようで、
非常に似ているが、これは右のソースがトマト、左がキュウリ。
こちらも夏仕様だ。皿の右はキャビアとレモン風味のクリーム。
カワハギのマリネは、私のだいすきな皿のひとつなのだが、
これも同様、とても美味しい。


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以前わたしがオードブルで頼んだ、
リード・ヴォーのテリーヌと手長海老の皿。
これはおぢさんのオードブル。
これに付いてくる手長海老のプリプリ具合は最高だと思う。

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いつもおぢさんがアラカルトで頼む、
ビオファームまつきの有機野菜を使ったエチュベ。
アラカルトだと手長海老のクルスティアンがついてくる。
まつきさんという方は昔サービスをやっておられた方で、
その方の昔のサービスマン時代の写真とビオファームまつきの本を
おぢさんがじーっと読みつづけ、お食事をぱくぱくしつつも気になる様子で、
テリーヌをたいらげたあと、また熟読。
ここのお野菜はすごく濃厚で美味しい。噛むと濃厚な野菜の味が口に広がる。
おぢさんは、今の大変な生活が落ち着いたら、
野菜を作って暮らそうかなあなんていうのを1年くらい前にぼそっと言っていた。
実際に、サービスマンからそういう道に行ったひとがいたので興味をしめしたらしい。
たべるもの全般にとても才能のあるひとなのに、
いかんせん足かせになるものが多くて、そういう道に行くのは難しそうで、
あたまをなでなでしようとしたら、ピシン!としっぽではたかれた。
たまにはちょっとくらい触らせてくれと思った。


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真鯛のグリエ。
なんだったかな、貝が入っていて、
ソースは貝のダシとバターと白ワインで作るマリナーラソース。
も、これがむっちゃくちゃ美味しい。ぐ。
今回このコースを選んだのも、真鯛のグリエがあったからだ。


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和牛のランプ肉・・・この肉は、たぶんこのお店で食べたもののなかで
いちばん好みだったと思う。毎回美味しいのでその保障はないが、
やわらかく、噛むと脂がぎゅうっとしみでてきてめちゃめちゃ美味。
「はう・・今日はこれがイチバンだねえ・・」
しあわせそうにおぢさんが呟いた。
これ、1万のコースでこれが出てくるんですよ。素晴らしいですよほんと。
泣ける。


タテルヨシノに初めてきた日に、おぢさんがすごくすごく気に入っていたサービスの方がいて、
見た瞬間、雰囲気が(サービスとしては)とても好みだったらしく
「いやあ、あれは将来いいサービスになるよ、きっと」
とか
「この(女と仕事にしか興味のない)おれが、友達になりたいなんて久々に思ったよ」
とか、まあ、興味をしめしたもの以外にまるで無関心のおぢさんが、
えらく熱心に褒めていたんですが、今日、うちの席を担当されていて、
「おれ、あのひとの名前知りたいんだけどなあ」
とかぼそぼそと横でつぶやいてるもんで、
「おぢさん、あのひとだいすきでしょ」
と言うと、素直に「うん、だいすき」と返事が返ってきてかわいかった。
このおぢさん、ぱっと見の人あたりはいいものの、
あまり他人に心を開かないわ、偉そうだわ、女には話しかけるけど
男にはまるで興味なーい、みたいなムカツク唯我独尊男なんだが、
このサービスの人のときは妙に話が長い。
うれしそうにしっぽをフリフリしながら名刺をいただいていた。
濱田さんというらしい。よかったね。
(ちなみに濱田さんはデスノートのヨツバのキラの髪型と同じだと毎回思う)

で、今日はドアのところで半分だけ体を出してちらちらっとのぞいていた、
たまにサービスについてくださる黒服の穏やかな方(田中さんではなく)も、
私はとてもだいすきで、やたらめったら質問の多い私に、
いちばん、毎回誰にも聞かずに答えられるのはこの方で、
知識の面でもすごいなあと思うんですが、
レストランのサービスの方というのはいろんな方が揃っていて、偏りがなく、
そういうお店がいちばんいいんじゃないかなあと思います。
長く長く続くお店って、サービスの方の性格や雰囲気や得意なものに
偏りがないのが、ほんとうの秘訣なんじゃないかな、と。
当たり前のことを、偉そうな言い方で申し訳ないですが。
早いはなし、ここのサービスの方はみんな素晴らしく良い方だということであります。


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フランボワースのマカロン。
表はすみれ風味、間に木苺がはさまってます。
アイスクリームはレモンの、皮の部分強めの味。
甘いマカロンと一緒に食べてちょうどいい味になるようになってる。(と思う)
おぢさんはプラリネ。

お気に入りの濱田さんとたくさん話ができて嬉しそうなおぢさんは、
「おれ、最近両手がしびれててさあ」
と、とんでもなく危険なことを言いながら家に帰ってゆきました。
おぢさん、長くないんじゃないかとたまに思う。
posted by さくらこ at 00:38| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(1) | Restaurant | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年06月03日

ヒルトン「王朝」つばめの巣のスープ

梅雨に入りました。
雨のなかの新宿、
先日、急な仕事のせいでせっかく予約したタテルヨシノにいけなくなったお詫びに、
おぢさんがヒルトンの中国料理レストラン「王朝」に連れていってくれました。

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雨と酒続きで、すっかり肝臓を悪くしてしまっているわたくしめでありますが、
(雨が続くと肝臓とか自律神経が悪くなる人もいるそうでして)
具合が悪いということで、今日はつばめの巣のスープを食しに。
古くから健康にいいとされる世界3大珍味のひとつ、つばめの巣は、
アナツバメの唾液腺からの分泌物からできており、
海藻と唾液を混ぜて作った巣という俗説は正しくなく、
海藻は基本的には含まれないそう。(一部Wikipediaより抜粋)
このはなしはおぢさんから聞いて初めて知りました。
ずっと海草だと思ってましたよ。

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「ちょっとしょっぱいよ」
というおぢさんの言葉からのイメージよりはややソフトなしょっぱさ。
おいしーーーーーい!!!!!!!!
初めて食べたツバメの巣のスープは、
ゼリー状にスライスされたツバメの巣の不思議な食感もスープに出たダシも、
最高に好みの味。何杯でもいけるよー。うまいよー。


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かえるのスパイス炒めを頼もうとしたら、
今日は雨なのでかえるさんが外出中でおりませんって言われてがっかりして。
あとはすべておぢさんにオーダーを任せてしまいました。


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伊勢海老の黒豆ソース炒め


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あわびのオイスターソース煮

わたしがアワビアワビとうるさかったからか、
あわびは2品ほど頼んでくださった。
基本的におぢさんが片手でダルそうに取り分けをしてくださったのだが、
(やっぱプロなので片手でも片尻をあげて屁をこいてでも上手だった)
あわびだけは私が取り分けた。そうすると、
「おれのぶんのあわびが2枚しかない!」
とぷんぷんしながら私のおさらのあわびをむしり取っていった。
ときどき反抗期の中学生みたいだ。

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中華は、仕事で取り分けもなにもかもやったことはあるんですが、
自分がちゃんとした中国料理屋に行くことはなかったので、
(幼少の頃はあるんですがいかんせん作法なんかさっぱり忘れており)
おぢさんに頼りきりだったのですが、
コース的に、前菜、スープ、野菜、メイン、と、
好きなものをバランスよく散らせつつ注文するだけでOKみたいです。

雨で具合が悪いというと、新宿駅からたったヒルトンまでの距離を、
往復タクシーで送ってくださったおぢさんは、
まだまだ忙しい時期の様子で、床をしっぽでピシンピシンさせながら、
新宿駅の改札をくぐって行ってしまいました。

はやく梅雨が明けるといいなあ。

posted by さくらこ at 02:42| 東京 ☔| Comment(0) | TrackBack(1) | Restaurant | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年05月12日

ホワイトアスパラ「コート・ドール」

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きれいなたべものはこのうえなく美しい。









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GW明けて翌日、仕事疲れを癒そうと「トロワグロ」に行こうとしたおぢさん、
その日は定休日だったのでしょんぼりしてお店の選択権を私に与えてくれた。
こんかいわたしが選んだのは、三田の名店「コート・ドール」。

新宿のドトールに今日はスーツ姿で現れ、
前回のタケノコ族姿のチンピラとはまるで別人にしか見えないおぢさんは、
最寄り駅の白金高輪からコートドールまでの道のりで迷子になった際に
「こっちからおいしそうなにおいがする!」
と無茶を言い出し、わけのわからない路地に入ったくせに、
なぜか見事に最短距離でお店にたどりつくという芸当をこなしておりました。
ほんとうにすごいひとだなあと毎回思います。いろんな意味で。


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赤ピーマンのクーリ

このお店の名物のひとつ、アミューズの赤ピーマンのクーリ。
見事にふわっふわ。ゆうわりとした食感、とても繊細でクリーミィ。
ピーマン独特の味はほぼ残っておらず、かすかにやさしい味として残滓がある程度。
ピーマン嫌いでもこれは大丈夫。
私は舌触りに感動したのだけど、おぢさんはイマイチの様子。
テーブルにちんまりと置かれたなでしこの花は、食用にもなります。
これがアミューズかと思いました。
テーブルの花をむしって食うアミューズが出てくるフレンチレストラン。
それはそれでいいなあ。
なわけねえだろ。


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フォワグラのテリーヌ

今日もオールアラカルトで元気に食すおぢさん、
オードブルはフォアグラのテリーヌからスタート。
添えものはレンズ豆らしい。
このテリーヌは美しいなあ。じいっと見入っていると、
おぢさんがふとこっちを見て切り分けてくれた。
舌でじわあっとゆっくり脂がとけて味が染み入る。
これはおいしいいいいいいいいい!!!!!!!!!!
でもやはりおぢさんは「うーん」てな顔。
テリーヌ皿のうえの3つの調和が合わないんだそうだ。
なんだか、バラバラだなあ、とか言いながらじっと噛み締めていた。
テリーヌ、最高なんだけどな。
ぷるぷるしながら私も食べました。

(後日ネットで調べていたら、このレンズ豆とテリーヌが
若干まとまっていない気がするみたいな記述が他にもありました。
あれだ、おぢさんも言っておりましたが、
「好みはひとそれぞれというのが大前提で、個人的な評価を出しているだけ」
ってことです。コートドールは非常に高い評価を得てますし、
私もとてもおいしいとおもいました。
ここでの辛口評価は、参考までに書いております。)


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野菜のエチュベ コリアンダー風味

わたしのオードブルは定番らしい野菜のエチュベ。
すっぱい!すっぱいでござる!!
エチュベは野菜から出た水分で蒸し煮にする料理法なんだけど
量が大目なもんで大変だった。すっぱくて。
味?ふふふ。
すっぱさで混乱して覚えてない。


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長崎産平スズキ皮つきかりかり焼き マスタードソース

かりかりおさかな大好きおぢさんのために、
私が頼んだおさかながこれ。
「自分のすきなもの頼めよ・・・」
といわれましたが、まあまあまあ。
じっと見ているおぢさんに、3分の1を切り分けてシェアしたら
「こんなにくれるの!?」
必要以上に驚いていました。ソースがねえ、もう、すごい。旨い。
かりかりというよりはしっとりだけど、うーん最高。

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福島相馬産ノドグロの天日焼き オリーブソース

スズキとずいぶん迷ってノドグロにしたおぢさん、


「・・・・・・旨い。」


とぽつり。
そう、これは手放しで「旨い、旨い」と褒めちぎり、
うれしそうにワフワフと食べてました。ソースが、最高。
スズキのソースもよかったけど、同時に比べてみると格段にこちらが上。
はっとしてしまうほどの味。
「これはいい、これは素晴らしいね」
ずっとそういいながらごきげんでたいらげた。


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北海道茶路産 仔牛のロースト

わーたーしーのーるんるん
絶妙な火の通り方。

ここで、切り分けてシェアしていた私たちをみて、
一瞬だけ表情がひきつったサービスの方がおられた。
(支配人さんではないよ)
まあ、しょうがないのだけど、
でも表情に出したのはこことベージュ東京だけかな。
ちなみに、私らのうさんくささを目の当たりにして、
じーっと見つめ続けたのもベージュ東京だけだ。
どこのお店に行ってもかなり視線を感じるんだが
(そりゃうさんくさい同業者臭を漂わせてんだから仕方ないが)
階段上から見下ろしながら、モロにこちらを見て耳打ちしあっていたベージュは
ある意味すごいチャレンジャーだと思う。グランメゾン級のお店なのに。
私が新聞を見ている隙にじっと観察し、私がそちらを見るとそ知らぬ顔で
すーっといつのまにか顔を元の位置に戻しているなかなかタヌキなのはアピシウス。
ちなみにタテルヨシノは黙っててもたまにシェア用に白皿を出してくださる。
いろんなお店があるなあ。
今度から、最初からシェア用の皿を頼もうと思った。

わたしが肘をついて、サービスの方がお皿を提供するのを邪魔していると
おぢさんはすごく叱りつけるのだけど
(肘をついているせいで提供が遅れる=サービスマンが頭のなかで考えている、
他のテーブルや料理の仕上がり時間との調和が崩れて迷惑なんだそうだ)
シェアについては何も言わない。自分のを切り分けてさっさと私に食べさせる。
「ある程度の知識とマナーは必要だけど、
必要以上に凝り固まった常識や概念は別に必要ない。
メニューも食べきれるなら食べたいものを頼んでいいと思う。
一緒に行く人間と合わせる、とかいうが、合わせるのもサービスの力量。
お客側がそこを考えすぎる必要はないと思う」
一時期、うちのブログを見て、好き放題に注文するうちのやり方をみて、
フレンチは同行者と食べる品数を合わせるものだと書かれたことがあるが、
それに対してのおぢさんの意見。
まあ、グランメゾン級なら、力量をお店に任せるのは間違ってないのかもしれん。
私は、結構外食時のマナー、常識の概念が強すぎて、
逆に接客をする側のときにその「自分の常識」をお客様に押し付けてしまうときがある。
今回の、一瞬表情に出てしまったサービスの方と同じだ。
間違ったシルバー(カトラリー)を使われても腹立たしいときがある。

自分がサービスの立場になったときに、
あとからいつも後悔して、思うことは、
私のような常識や概念に凝り固まった人間は、サービスに向いてないなってことだ。
ネットで、うちのブログを見て「そんなのはマナー違反だ」と書いた方と同じ、
私もなんだかんだでその方と同じ、型にはまった、
自分が考えるうえでの「サービスに向いてない人間」だ。
お客様がなにを注文しようとそれはお客様の勝手や好みであって、
それをうまくあわせるのは、確かにこちらの役目だ。
間があけば、それを埋めるなにかを持っているべきなのもサービス側。
なにが正しいのか、は結局わからないけど、
寸たりとも表情に出さない接客をしていたおぢさんを私は知っているし、
ささいな常識をお客様に押し付けないおぢさんの考え方は好きだ。
まあ、自分が好きだと思うほうを学べばいいんだな、
ぼんやりとそんなことを、そのひとを見ながら考えていた。


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国産牛のしっぽの煮込み 赤ワインソース

「しっぽください」
と頼んだおぢさんがかわいかった。
牛テール煮込みといえば、秋に訪問した「KM」だが、
あのときあまりのおいしさに顔がほころんでしあわせいっぱいだったおぢさん、
今回は表情が曇り空。
「これは・・・ほんとうにじっくり煮込んだの?」
わたしに聞かれても困る。
切り分けて私にくださるのを食べてみた。
確かに、味がしみこんでいない。味が浅い、というか。
「煮込んだ赤ワインとソースの赤ワインが違う気がする。
それを一緒にしたら一体感はあったのかも・・
それにしても肉に味が乗ってないなあ。普通に美味しいけど。」

そう、なんだろう、以前たべたKMの牛テール煮込みとか、
あとうちで作るラフテーなんかは、肉の奥の奥まで
ぎゅうううっと煮込み汁の味がしみこんでて、
そういうのがないんよ。不思議だった。
ネット上ではすんごっく評価がいいのだけど、
これもまた人それぞれの好み、なのだろうか。


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アラカルトで、デザートだけ最初の段階で注文していなかったおぢさん、
今日は甘いものを食べる気分じゃないとのことだが、
なら、ってんで、せっかくなので、ここの名物、

茹で上げホワイトアスパラガス 4725円

「ロワール産のホワイトアスパラでございます」
コトっと音をたてて置かれたそれは、
切り分けると湯気まですんっごいいい香り!!!!

質のいい塩とからしのソースで食べると、鼻からつんとアスパラの香りが抜ける。
東京で最高のホワイトアスパラを出すお店、というのは過言じゃない。
旨すぎて声が出ないおぢさん。
しばしふたり、固まって感動。
こりゃすごい。本当にすごい。

本来ならオードブルの品なのだが、
あまいものが今日は食べたい気分ではなく、
どうせなら、春だけ提供されるここの名物を食べたいと伝えると、
支配人さんが「それはどうもありがとうございます!」とにっこり。
動じない。
テーブルにホワイトアスパラを置いたギャルソンの若い男性も
「デザートがわりにアスパラ、というのもおつですね」
またも、にーっこり。
動じないなあ。
今回のこれはさすがに破天荒すぎたか、と心配してたんだけど。
私がギャルソン側なら、デシャップで「なんじゃそらあ!」とか言うレベルだぞ。
変な注文をしてほんとうにすみません。
ブログ上でいちいち難癖つけるみたいに書いてますが、
サービスも素敵ですし、全体的に品もあって、
わがままも聞いてくださり、
特に、わたしには、
フォアグラとスズキとノドグロはさいこーに美味、
赤ピーマンのクーリとホワイトアスパラは感動モノでした。

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熊本産 和栗(丹沢)のモンブラン

中にねえ、栗がねえ、こぉ、ぐりぐりっと詰まっててねえ、
しかもサクサクでさあ、フォーク入れるとシャリってさあ、
これは最高。おいしーーーい!!!!ハートたち(複数ハート)

お茶菓子についてくる爪楊枝、その袋がややきっしりと堅くて
紙が高級品!コート・ドール、ツマヨウジの袋の紙質まで高級品!!
↑というようなことをひとりで小声で騒ぎ立てておりました。
「うーん、これは通常の倍の値段はするね!」
とおぢさん。なんだかなあ。低俗で申し訳ない。


わがままばかり書いておりますが、
日本最高峰といわれる名店に行けてしあわせでした。
ありがとうございました。
いちど行っただけで評価を定めたくないから、
もう一度行って、また牛テールを頼んでみたい。
そして、あの感動のホワイトアスパラに会えるのは次はいつかなあ。


posted by さくらこ at 04:03| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | Restaurant | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年04月30日

野菜づくし、タテルヨシノ。

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1週間と日を置かずにタテルヨシノにいきました。


世間はGWに入り、都内の飲食業界は暇な時期、
ただ、閑散期に入るはずの2月でさえも大繁盛だった今年のフレンチ業界は、
ミシュラン効果か、GWも大忙しの様子です。
わたしが入っていたレストランも2月もGWも忙しいようで、
いっしょに働いていた子たちもお休み返上、遊ぶ暇もなし。
ワイン教室でおしごとのおぢさんもやはり忙しく・・・・

3月を目処に、足の治療に専念するつもりで、
おしごとを辞めたわたしだけが暇人です。
ぼんやり。


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哀れんだのか、先日のお礼のつもりか、
おぢさんが、好きなレストランへ行っておいで、と。
繁盛してるなあ。憎い。

せっかくなので、先日タテルヨシノに行った際、
食べ損ねてしまった牛タン煮込みを食べに行くことにしました。

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いつものアミューズ、
ビーツのジュレと山羊ミルクのブランマンジェ、
じゃがいものスフレとかわはぎのマリネ。
うえは、
クレソンのクリームスープ。

こんかいは、はじめてのムニュ・ド・レギュム、
有機野菜の特別コースです。


・・・・・・牛タン煮込みは?


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季節野菜のガルヌイユ、
これはいつもおぢさんの頼む季節野菜のサラダの、
ラングスティーヌ抜きバージョン。
下の画像の2種類の野菜は、
奥がクリスタルリーフ、手前が四角豆。

なにがクリスタルなんだ?と思ってカトラリーでカシカシしてみると、
ぷつぷつの水分袋のようなものから水がぴぴっと飛び散る。
その水分のはいった袋のような部分がきらきらしていて、
クリスタルに見えたんだろうか、どちらも最近でてきた野菜だ。
四角豆においては、豆ですらない。


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じゃがいもの器に豚足のファルシィ
ブーレットのソース


今回初のメニューは、これとクレソンのスープだけかな。
豚足をやわらかくとろとろ、フォンダン。煮込まれていて旨い。
ソースはレンズ豆。
豚足が濃厚なのに対し、じゃがいもがさっぱりと抑えていてバランスがいい。

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ごぼうのムースにエピスの香るキャラメルソース
ビターチョコレートのアイスを添えて


これも誕生日のときにいただいたものと同じ、
ごぼうがしっかり利いているのに、ごぼうの味なのに、
なのになぜかちゃんとデザートとしての美味さが成り立っている。
はじめて食べたときはかなり驚いた。

トゥーレーヌのソーヴィニヨンブランは、
支配人の田中さんが、グラスの白として出してくださったものですが
ちょうど、来年度のソムリエ資格試験に向けての勉強で
ロワール地方に取り掛かったところだったので、いいタイミングでした。
生産本数のすくないワインで、色はあめ色。
口にふくんだときの味がやや薬のような・・・
わたしはおぢさんから教わる形でしかワインを知らないので、
本を読むな、他人の味覚をあてにするな、
味も印象も香りも、自分が思ったまま記憶するために、
他人の評価は自分が味わう以前には知る必要はない、と言われてきたもので、
この香りを「風邪薬のような」としか言い表せないのですが、
世間ではどう表しておるんでしょうかね、気になる。
野菜にあわせてください、と言って出してくださいました。
個人的にも購入したいなと思うワインでしたが、
ネット上でもあまり残っていない様子。ざんねん。

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ギャルソンのかたが、次回のシェフズウィークのハガキをくださいました。
ディナーのみと謳っていますが、ランチでも、おひとりでも大丈夫ですよ、と。
あまりディナー時間に行くことができないので、助かります、
と、でもわたしひとりじゃ無理だなあ(^_^;)
今回もおぢさんのおかげで行けたようなものだし。
ぽへ、
ワインでずいぶん酔いました。
薬と併用して飲んでしまったので、後半はあたまぐらぐら。
酩酊状態のわたしに、
オマール・ブルーについて、ずいぶん丁寧に説明してくださいました。
どうもありがとうございました。

posted by さくらこ at 05:06| 東京 🌁| Comment(2) | TrackBack(1) | Restaurant | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年04月21日

オマール・ブルーとタテルヨシノ

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タテルヨシノ、1ヶ月経たず訪れました。


レストランに行くことを内緒にしていたので
この日、新宿駅にあらわれたおぢさんの姿は
どう見ても黒いカーディガンを着たタケノコ族かチンピラにしか見えませんでした。
洗いざらしにすると、髪が猫っ毛かつ天然茶髪のせいで
わけのわからないパンチパーマに見えてしまうのですが、
そのうえサングラスをかけて、
もう、なにがなんだかわからない人になっておりました。
さすがの私も改札口で会った瞬間、他人のふりをしそうになりました。
その後ろで駅警備員がものすごい表情でおぢさんをマークしてました。



・・・・・上の文章に一切なんの脚色もない、

今日はそんなおぢさんの誕生日です。



本日はオールアラカルト(コースではなくすべて単品)でご注文のおぢさん。
なのでアミューズが2品でてきました。
上は初めて来たときにも出てきたビーツのジュレとヤギのミルクのブランマンジェ
右はかわはぎのマリネ。


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オードブルに前回も注文した、
季節野菜のエチュベ手長海老のクルスティアンと共に
前回と盛り付けが変わりました、の言葉のとおり手長海老が別皿で出てきました。
5000円とはいえ、野菜の盛り合わせでこのボリュームは凄い。
「フレンチには基本、「サラダ」というものはあまりないんだよ。
だから、こういう形で出してるし、野菜だけメニューの品数も少ない。」
とおぢさん。それは知らなかった。
ホテルなんかで、宴会フレンチだとヴィアンド(肉)でサラダが出るよね。
あれが出ると妙に古臭く安い印象を受けてしまいますが、なぜ出すのか。


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マグロ赤身とナスのミルフィーユ、タップナードソース キャビア添え

わたしのオードブル。
定番メニューらしく、初めてここに来たときからずっとメニューにあるが
マグロをそう好きでもないせいで、いちども頼んだことがなかったもの。
テリーヌのような見た目、マグロをナスで包んでおり、
このソースがまた、もうむちゃくちゃ旨い。


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ヒメジとフォアグラのポワレ 春キャベツのソース

おぢさんの二品目、ポワソンは新メニューのヒメジ。


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うずらのロースト、スパイス風味 十六穀米と共に

私は相変わらずのポワソン(魚)なしの、ダブルヴィアンド(肉)です。
2年ほどまえに出たときには、うずらに十六穀米を詰め込んでいたらしく、
メニュー上では初めて見たが、以前にもあったもの。
まわりに散らしたもも肉が、グルヌイユ(カエル)に一瞬見えました。
言葉にできないほど旨い。
基本的にこのタテルヨシノは「ハズレ」がない。
いろいろお店を巡って、どこかメニューに数品は「合わない」と思うものがあるのに
このお店ではいまのところそれに会ったことがない。それって凄いことだと思う。
わたしは魚メニューにあまり魅力を感じないので、
毎回、ここではダブルヴィアンド(肉2品)なんだが、
それでも、魚もやはり旨いのだ。決して味で劣るわけではない。
いつもはどこでもブリブリ文句をぼそりと言うおぢさんも、
「タテルヨシノ」と「ブノワ」に関しては今のところ一切の文句が出ない。
本当に素晴らしいと思う。
いやなんというか短絡的にいえば「コレものっそい旨かった」てことです。


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前回来た際、本日オマール海老は夕方入荷するんです、といわれ
食べ損ねてしまったオマールだいすきおぢさん(本日で44歳)のために、
事前電話をいれ、オマールを取り置きしていただき、
この日、出す瞬間まで内緒に。サプライズ。
席を担当してくださったメートルの田中さんに
バースデーの文字入れはデザート皿にではなく、
オマールのお皿に入れてほしいと頼みました。
デザート皿だと、レストランに連れていった時点である程度予想できてしまうし、
それだとつまらない。あれほど毎度食べたがって、注文しても品切れで
ありつけなかったオマール海老のお皿に書いていただいて、
歌もこのときに歌っていただいたほうが絶対予想つかないだろう、と。

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ブルターニュ産オマール海老のロティ 12600円(笑)

目の前に、今日はないはずのオマール海老を出されてポカーン顔のおぢさん。
歌がはじまって、なにが起こったかようやく気が付く。
「ここで来るか・・・」
と苦笑するおぢさん、やはりこのタイミングは予想しなかったようで、
サプライズは大成功でありました。
どうせなら、ありきたりの驚かせ方じゃないのがいいよね晴れ

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世界中でいちばん希少とされる、ブルターニュ産のオマール・ブルー。
活きた状態の画像はこちら様のブログでみることができます。
殻が青く、味もお値段も最高級品のオマール海老です。
ピリ辛にしてあるものと普通のローストと2種の味。
サプライズでなければ、普段は調理前に見せてくださるらしい。
ゴキゲンで頬張るおぢさん。しっぽをぱたふたさせて絶好調。
よかったよかった。


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おぢさんのヴィアンド(肉)、テット・ドゥ・コション。
鶏のとさかや喜界島産の豚の脳みそ、頭皮やらを煮込んだもの。
「あーー、ソースがさいこーーーに旨いぃぃぃ」
とぷるぷる感動するおぢさん。むちゃくちゃ濃厚。美味。
以前にも頼んだのだが、この感動は凄まじいと思う。
心の底から旨い、煮込まれた品々。
でも、すごく重いのだ。
この日は明け方まで、テット・ドゥ・コションが胃に効いていた。


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ブレス産 鳩とフォワグラのファルシ

こちらも初めてみたメニュー。
ほんとうに、お店の方には申し訳ないことに、
思っていたよりもおなかがすいていたことと、
またしばらく仕事が忙しく来られないせいで、メニュー変わりする前にと、
こちらは追加注文。田中さんは快く引き受けてくださったけど、
なんというか、申し訳ない限りです。おぢさんに軽くたしなめられました。

思ったより、というかいままで食べた鳩のなかで、いちばんのブルー。
ブルーというのはフレンチでの「超レア」を指すのだけど、
まさにこれ、軽く火を通しただけ。鳩では、とても珍しいと思う。
フォアグラのブルーっぷりはあまりにも旨かったが、
鳩は、もうすこしだけ火がほしかったか、なんらかの意図があるのだろうが、
また次回、聞いてみたいなあと思った。
素材そのものの味はかなり強烈に良かった。
なによりあらびきコショウのかかったフォアグラのあまりの旨さに悶絶。

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テット・ドゥ・コションと鳩のためのボルドー、追加。
右は、お皿にもジュレにもローズの香りづけをしたアヴァンデセール。
さて、デザートのはじまりです。

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ぼくちんのデセール(デザート)は、赤ピーマンのクレームブリュレ。
赤ピーマン、といえば「コートドール」の名物、赤ピーマンのクーリ・・・
を思い出すのだが、そのせいか、見つけたとたん真っ先にこれを選択。
口にいれた瞬間、ぼわっと広がる赤ピーマンの味と香り。
前回のゴボウのデザートもそうだが、驚いちゃうような素材なのに不思議に旨い。

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真珠のような・・・これはおぢさんのデセール、シュプリーズ
サプライズ、という意味らしい。
真珠のような飴細工を割ると、なかから出てくるふわふわのクリームと果実。
これは驚く。すごいデザートだと思う。
まさに芸術品。


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いつもいつも、ワインの無料講師といいお食事といい、
お世話になっているおぢさんへせめてもの恩返しとばかりに、
好きなものを食べて、といいましたら、本当に好き放題食べやがりまして、
しめて6万ほど。おーい!!!(^_^;)
オマールの威力はすさまじいね(笑)
まあでも、ワイン教室なんかに本格的に通うことを考えたら遥かに安いんだが。
「えー?いつもここでランチでも4〜5万くらい使ってるよお?」
と平気そうなおぢさんが、この1年も健康でいられますように。


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るんるんのおぢさんはしっぽをぱふぱふさせながら髪をカットしに行き、
何故かまたいただいた花束は白のチューリップ。
posted by さくらこ at 00:00| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | Restaurant | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年03月26日

バースデー、タテルヨシノ。

誕生日あたりに大阪に帰省したのですが、
それよりすこしあとのこと。
偉そうな態度をしたうちの近所のラブラドールに似ているともっぱら評判の、
いつものおぢさん(43)とタテルヨシノに行きました。
4度目。

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食前酒はなにになさいますか、と聞かれ、
シャンパンでスタート、私がジャン・ヴェッセルの白、おぢさんはロゼ。
プティアミューズの、チーズ風味のグジェールをぱくぱくしつつ、
なにを食べようかとメニューを広げますと、

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花束をいただきました。おぢさんに。
いや・・・・・・なんというか、
プレゼントというと花束しか浮かばないらしい。
あまりなにも考えてないだけなんだろうが、非常に嬉しかった。
普段、パーティーやウェディングの仕事で見慣れているもので、
豪華絢爛できれいな花をたくさん見てきたが、
いや、これは嬉しい。人にもよるのだろうが。

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「これほんとうにもらっていいの?」
と問うと、
「見せるだけとか言われたらいやだろ君も。
そういえば小学生のとき、誕生日にクラスの女子がプレゼント持ってきて
『見せるだけね』って言ってそのまま帰りやがったな・・・イラっとくるよね」
どうでもいいことを思い出して嫌そうな顔のおぢさん。
態度がでかくて偉そうで、傍若無人で背が高く
ヤ○ザも道をよけるこのおぢさんが花屋で花束を買ったのか。
すごすぎる。

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感動のあまり説明が遅れたが、上のさらに上の画像、
左はわたしの大好きなタテルヨシノでおなじみのアミューズ。
かわはぎのマリネ。これほんと美味し揺れるハート
右はおぢさんのオードブル。
トーション仕立てのフォワグラとフォワグラのマリネ
フリュイセック添え


で、上の画像は私のオードブル。
子牛の胸腺肉のテリーヌ ラングスティーヌ添え

テリーヌ大好きだ。大好きすぎてテリーヌ写真集まで買ってしまったほど。
新メニューだーっと喜んで即決。
もー、めっちゃめちゃ美味。
ラングスティーヌ(手長エビ)も身がプリプリで引き締まっておいしすぎ。
「次はおれもラングスティーヌだからいいよ」
と言ったおぢさんの口にも放り込む。
だって旨かったら、旨さを共有したいじゃないか。

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季節野菜のエチュベ 手長海老のクリスティアンと共に

野菜が食べたいねえ、とほざくおぢさん、ごきげんでサラダをカルト注文。
出てきたのがこれ。野菜?野菜というか、立派に魚料理だ。
画像じゃわかりづらいが、新鮮で多種の野菜がてんこもり。
そのまわりと手長海老のすり身をパータブリックで包んで
クリスティアン(カリカリに仕上げること)したもの。
この手の込みよう。そして野菜旨すぎ。
手長海老は素材が良すぎたので、すり身よりさっきのプリプリのがいい、と私が言うと、
サラダなのに、それだと野菜が目立たないから、とおぢさん。
フレンチって、すごいなあとつくづく思う。

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おぢさんのポワソン(魚料理)は、
本日の魚料理で注文をしたそうで、今日は的鯛。
で、ポワレ。ういきょうのクリームソース。うまそ。

さきほどのサラダ、如何ほどのお値段?と私がびんぼくさいことを問うと、
おぢさん、「5000円ほど」との答え。サラダが5000円。
いや、そういうことが言いたいのではなく、
以前行ったシャネルのレストラン「ベージュ」でも、
サラダがそのくらいのお値段だった気がした
写真を見比べてみて、いや、好みは人それぞれというのは当たり前として、
同じ値段でなら、わたしはタテルヨシノの、この手の込みようが好みだ。

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パセリをお付けして焼いた仔羊のロースト

本日のわたくしめは、ダブルヴィアンド(肉料理を2回)グッド(上向き矢印)グッド(上向き矢印)
まずは仔羊。出た瞬間からその迫力に圧倒。
以前、アラカルトでダブルヴィアンドを頼んだとき、
サービスの方に「女性には少々多いかと」とおっしゃっていただいた際、
「いや余裕っす」
みたいな返答をし、軽くたいらげたせいか、もうポーションに容赦ない。
がっつり来ました。そしてやはり旨い。
ありがちな妙なクセとかないし、ほんといい素材。
やわらかくてジューシー、肉汁がぎゅっと濃厚。

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鴨のロティ 蜂蜜とスパイス風味

鴨のロティは以前こちらでいただいたのでいいや、と避けましたら、
おぢさんがご注文。で、以前とちゃんと違う。
カシスを添えて、同じ鴨でもまったくちがうアクセントと風味。

この日、オマール海老(1万2千円くらい・・)目当てで来たおぢさん、
オマールは、と聞くと、
「本日は夕方の仕入れでございます」との返答でがっくり。
しゅんとし、珍しく痩せの大食いのおぢさんが普通の量でお食事。
次はあるといいね。
金持ち憎い。わーん。

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仔うさぎのトゥールト サリエットの香り

アラカルトでたのんだ、わたしの2番目のヴィアンド。
仔ウサギのトゥールトというので以前食べたブノワの同名のものを想像していたら
予想よりはるかに大きなポーションで出てきました。
しかも中身、内臓やらいろいろ、具が詰まりすぎ。
どっしりしっかりがっちり濃厚な内容と味。
いや。すいませんでしたと言いたい。
前回「余裕っす」とかナメたこと抜かして申し訳ありませんでした。
どう考えても私の完敗。頑張って完食。

(とても濃厚かつ充実した内容のトゥールトだったので、
味についてまた後日書き加えたいなあと思ってます、ここに。)

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今日はブルゴーニュのみでいただきました。
シャンパンを早々と飲み干し、結構ほろ酔い気味でのお食事。
気分いーなあ。平日の昼間っから。
右はおぢさんのデセール。いちごづくし。
シェフの吉野さんがテーブルに来られて、挨拶してくださいました。
おぢさん大歓喜。


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どーん。

どどーん。(嬉)



おとなりのお席の方も偶然バースデーだったようで、
お店の方が歌をうたっておられたのですが、
その方がむちゃくちゃ歌がうまく、おぢさんかなり感心。

「いやね、彼女も実は誕生日でして・・よろしければ歌ってくださいます?」

おぢさん・・・
予約のとき、わたしの誕生日とか言わなかったんだな・・・
普通言うだろ・・・さてはオマール海老目当てだったんだな・・

で、出てきたわたしのデセールには飾りつけ。
お皿の下のほうにわしの名前。(なのでカット(笑))
このデセール、ごぼうのムースなんですわ。
味がしっかりごぼう。なのに、旨いんだ。なんで?
ごぼうのスライスを揚げたものも入ってるのに、
でも旨いんだ。

お店の方々が歌ってくださり、お祝いしていただく。
やっぱり歌ってらっしゃる方の歌が非常にうまい。
もう、照れて顔があげられないわし。
それもお店の方につっこまれる。
いまブログを書いてる時点で、一人称が「わし」になってるってことで
どれだけいまだに照れているかを察していただけると幸い。
ほんとみなさま、おぢさん、ありがとうございました。

その後、オイルマッサージを施術していただきにゆき、
のんびりと過ごす平日の夜。
とてもとても幸せなバースデーでした。
ありがとうございました。

これで迎えるのが31歳じゃなきゃ言うことないんだがなあ。
posted by さくらこ at 23:32| 東京 🌁| Comment(2) | TrackBack(0) | Restaurant | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年02月14日

リスおぢさんと僕4〜ランチで味の日

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仕事で、しっぽぱふぱふおぢさん(43)と三田に出る。
最近は自由が丘のワイン教室のほうの仕事の手伝いで、平日はこんな日々だ。
合間にソムリエ試験の勉強をみていただいているのでまあ有難い。
午前中の仕事を終え、さてお昼にするかと。
三田ならってんで「コート・ドール」あたりにしようかと思ったら
この日はお休み。マイミクさんの日記に出てくる「minobi」にしました。
オーグードジュール系列。秋に行った「ヌーヴェルエール」もこの系列です。

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アミューズ以外はすべて2種のうちからひとつ選べるようになっているので
すべてのメニューをお互い違うものにする。
昼間から酒。赤ワインを注文。
おぢさんがブルゴーニュ、私がボルドー。
グルゴーニュ型とボルドー型のグラスの意味から、地層の違いに至るまで、
ブルゴーニュとボルドーの基本の基本から教えていただく。

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帝王ことおぢさん(43)のいちばんの才能は、
素人にものを理解させるのが非常に上手、ということだと思う。
まあワイン教室やってんだから当然っちゃ当然なんだが、
おかげさまでさっぱりプーな私でもずいぶん理解できた。
ヘイコラ。ごりごり(ごまする音)

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グラスで香りを嗅いでみて、
「あ、こっちはいつも飲んでるほうだ」

自分すごい。なんで?なんで?
おぢさんも驚く。
いやあ、君、馬鹿だと思ってたけど意外と大丈夫かもねえ、と。
余計なお世話だ。
「いつも飲んでいるほう」イコール「おぢさんの好きなブルゴーニュ」
ということだったようで、そういう意味で正解だった。
好きだからいつもそれを頼む。なので嗅ぎ覚えがある。
それだけの話なんだが、まあ嬉しかった。素人なので。

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「カ・・・おれのカリカリおさかなポワレ・・・うう・・」
ものすごいおぢさん好みのカリカリっぷりを発揮したおさかなを、
オマール海老の恨み返しとばかりに奪い取りました。
おぢさんのカリカリポワレ好きは周知の事実。
おぢさんには上のお肉のパータブリック包みのほうをまわしました。
トントロと仔羊のバラ肉を白ワインヴィネガーとミルポアで煮込んで、
甘味を出したものと、ラタトゥイユとクスクスと合わせ、
パータブリックで包み焼きしたもの。
それはそれで旨いのだけど、やはりおさかなに未練のあるおぢさん、
虎視眈々とカリカリを狙うおぢさん。もはや戦い。

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ダストパンが可愛い。
普通はスティックのダストパンか、大きな銀のダストパン(パンくず掃除)なのだけど
ここはこんな可愛いのを使ってらっしゃいました。
撮影させてください、というと快くテーブルに並べてくださるギャルソンさん。
「○○町で売ってたんですよ♪」
ランチはおひとりでまわされているギャルソンさん、
とても感じのよい方でした。

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「味の日」という意味の「minobi」さん、
からり晴れた冬のきゅっと寒い日の昼間、訪れるにとてもよいお店でした。
お店の方々すべてが感じよく、
ゆったりと話しながら心地よい時間が過ぎてゆきます。
おぢさんと、
ワインのおはなしもたっぷりできて、
今の季節お店を悩ますノロの話、
経営の話に料理の話、いろいろできて本当に楽しかったです。

---

13日、日本でも最大級の寒波だったそう。
昼間でも、寒い寒い。
まーーーー、しっかし寒い。
話題の岩手の「蘇民祭」、どうしても行きたかったのに行けぬまま。
東北雪まつりの数々も行きたいなあ・・
続いて本日、バレンタインデー、今日も寒い模様。
皆様も、風邪にはお気をつけて雪

posted by さくらこ at 04:35| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | Restaurant | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年02月13日

リスおぢさんと僕3〜BENOITにて

大人のおともだち(※注1)である、ワイン教室をやっているおぢさんと、
教室の関連で銀座に出ることになった。
昼間のマロニエ通り。カフェを探す。
「パティスリー・レカンに行こうか、」
と切り出したおぢさん、
マロニエ通りからすぐそばにあるはずのお店へ向かうが、現地にお店はない。
2004年末に閉店したことを知り、おぢさん大ショック。
「そんなに長い間、おれは銀座から消えてたんだなあ」

大丈夫、私なんか一瞬たりとも銀座に関われたことのない人生だし。


(※注1 大人のおともだち)大きなお友達、大人のおもちゃから発想、勝手に造語。
セフレ、元カレカノとの現在の友人関係、犬とご主人様、などなど
さまざまな意味をこめて使えるが、この場合は「金持ちと下僕」


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仕事だもんで今日は珍しく一張羅の18万(笑)のコートを羽織り、
客引きもチラシ配りさえも寄せ付けない、そのスジの人オーラを発揮しつつ
おぢさん、銀座→新丸ビル→青山の順で移動。
夕刻、晩ごはんはどうしよう、とようやくメシ話になり、
ヒルトンの「21」やら池袋の「ラボンダンス」が定休日と知り、
さんざん思案したあと、青山の「ブノワ」に決定。
「ブノワ」は、シャネルにある「ベージュ東京」と同じく、
パリのマレ地区にあるミシュランで星をとったお店の日本支店。
ただこちらは「ベージュ」とは違い、ビストロなわけですよ。
貧乏服のわたしにもやさしい。

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ビストロだと聞いてお店に入るとおどろく、とても綺麗な内装。
広い広い一軒家のような造りで、写真でみた内装よりはるかに良い。
内装だけでずいぶん気にいってしまった。加えて夜景の見事さ。

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パンよりも先に出てきたこれは、プルミエアミューズ(?)、
板やポッキーのような形のスキャッチャに、
ヤギのチーズのディップとタップナードをつけて食べる。
このタップナード、素晴らしく旨い。イタリアンのようなアミューズ。
去年まではくるみのペーストの1種だけだったみたいです。

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こちらはドゥジェームアミューズ(という言い方でいいのかどうか)。
この日はふたりとも、9000円のコースにプラスアラカルトだったのですが、
この2番目のアミューズは、コースによってはないものもあるそう。
で、これ。なんとかのロワイヤル。なんとか、が思い出せない。
色からしてキノコ?いや、そういうものじゃなかった気がする。
(思い出したら、後日書き換えておきまーす・・すいません)

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コースにすると、結構な数からいくつか種類を選べる
これは私の前菜。青首鴨のドディーヌ、ジュレ添え。
フォアグラを、青首鴨でぐるりと巻き込んだもの。
つめたくておいしい。フォアグラ、濃厚。舌で薄甘くとろける。

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前菜とポワソンのあいだに、アラカルトで頼んだ
スペシャリテのフォアグラを入れていただく。これはお店におまかせ。
ワインは白で、それぞれブルゴーニュとボルドー。
シャトーグランメーヌとモンテリー。

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おぢさんのオードブル、
ズワイガニのアスピック仕立てとアサリのクリームスープ、ラルドン風味。
右もおぢさんのポワソン。
ヒラメのダルヌ 旬野菜のエチュベ レモン風味のジュ。
カメラ慣れしてしまったのか、食べ物が運ばれても「待て」のポーズ。
ちょこんとした手がかわいい・・

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オマール海老のココット ニューバーグ風 フヌイユの煮込み
これはコースに金額プラスαすると加えることのできるメニューで、
この日はどーしてもオマールの気分だったので頼んだのですが、
私が撮影を終えるとオマールのカラをフォークでぱこんとはずし、
じっと料理を見つめたおぢさん、
「うーん、恨まれちゃうねえ」
と言って、ぱくーん、ぱくーんとでっかいオマールの身を2切れ食べた。

・・・。

わたしのオマール海老は?


ちいさい残りのオマールを食べるわし。
「うーん、想像してたのとちょっと違うねえ?旨いけど。」
のたまうおぢさん。
泣ける。

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ラカン産ピジョンのア・ラ・ブロッシュ 蕪とベトラーブ グラッセ・ヴィネグレ

鳩肉、さほど好きではないのにあれば毎回頼んでしまう。
そして今回も私は鳩肉でいってしまった。
前回たべたときより独特の鳩肉の甘みが少なく、食べやすかった。
が、やはり大好きかといわれるとそんなことはない。
ワインは赤を注文。
それぞれ、コートデュローヌとラングドック。
ラングドックが、特徴的な鳩の肉に合うこと合うこと。
ラングドックの強い苦味が苦手だったのだが、
鳩肉と合わせると、とたんにやわらかく苦味が失せる。
これには感動。合わせると、まるで味が変わる。
互いの欠点を補い、旨みを前面に押し出す。
普段しっぽフリフリさせてるおぢさんは、やはり本職のひとなのだと痛感。
ばかにしたよーなことをさんざんブログに書いてすみませんでした。

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ウサギのトゥルト、アンディーブのロティ ソース・シヴェ

「仔ウサギ、ではないねえ、仔では。この味は」
人のオマールを食いつくし、ゴキゲンなおぢさんのヴィアンドはウサギ。
お値段おさえめでサービス料も取らず、それでいてこのレベルの味。
ビストロでもサービスはかなり安定しており、料理は手間のかかった上等なもの。
「素晴らしいね、このお店は!」
久々に手放しで褒めるおぢさん。
わたしも、個人的にですが、以前行った、お値段もプライドも高そうな
シャネルに入っている「ベージュ」より、はるかに好みのお店でした。
すべての面において。同じ系列なのに。

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苺のタルト キルシュ風味のサバイヨン グラスフレーズ・フロマージュブラン
右はル・ブノワ ショコラ・オレンジ
「ル・ブノワ」はオレンジのアイスと一緒に口に入れてみてほしい。
ぜったいに一緒に食べてみて、というおぢさんの言葉に従って口にしたのだが、
もう、絶品。別々に食べるよりはるかに美味。素晴らしいよ、これ。


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階下に喫煙にいきたい、とメインまでを食べ終わったおぢさんが問うと、
サービスの方が、どうせなら、階下のカフェでデザートを、と、
デザート以降をカフェのほうに移動してとらせてくださった。
「タテルヨシノ」でもデザート以降はテラス席に移動して、
喫煙も兼ねさせてくださるのだが、それと同じ配慮。
帰りには菓子を持たせてくださったのだが、
帰ってから食べたこのマドレーヌが、また異常な旨さ。
いままでたべたマドレーヌで文句なしにイチバンです。すみませんでした。

帰ってからも旨いブノワ、また是非行きたいお店です。




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2007年12月24日

「タテルヨシノ」ふたたび。

仕事と仕事の合間に「タテルヨシノ」に行ってきました。
午前中はおぢさんのワイン教室のお手伝い。
リストの整理なんぞしとりました。

で、夕方からレストランの仕事。
クリスマスも近づいて、この日は凄まじく忙しかったです。


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ミシュランに掲載されて以来、お客さんも多いかなと思いきや・・
やっぱり多かったです。
ひとり、ということで突発で入ることができました。
ちょうどシェフズ・ウィークだったようで、吉野シェフがおられました。
お店におられるときは席をまわって挨拶をされるようで、
この日もちょうど席をまわっておられました。
画像にちょいとうつってます。


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アミューズのホタテ。
白ワインで蒸したものだそう。

まったく関係ないのですが、槙原敬之の「GREEN DAYS」の歌詞、
「真っ直ぐに真っ直ぐに伸びる この緑色の道を歩きながら続いてゆく 僕らのGREEN DAY」
これはまずくないんでしょうか、槙原が、
麻がまっすぐにまっすぐに伸びる緑色の、だとかそんな歌詞は、
いや、なにがだ。


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以前も食べましたが、
喜界島の仔ヤギのカルパッチョ。
あの味が忘れられなかったのでこれにしたのですが、
前よりすこし印象的でなかった気がしました。
二度目だからか。
喜界島といって思い出しましたが、
いまさら感あふれますが私は日本映画で5つ、おすすめを選べといわれたら
迷うことなく「深呼吸の必要」を挙げるのですが、
いや、これは与那国でのキビ狩り隊の話なので
喜界島とも仔ヤギのカルパッチョともまるで関係はないのですが、
とりあえず文章がすくないので書いてみました。
如何でしょうか。(なにが?)


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軽くスモークしたサーモン ステラマリス

軽くあぶしてあるだけの上品なサーモンの味。
前回はダブルヴィアンドにしたせいでおさかなを食べなかったので
今回はメインをおさかなだけにしました。
嘘です。最近デブにも程があるので魚だけにしました。
嘘を言って本当に申し訳ありませんでした。


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いま調べても公式サイトにも名前が出ていないんですが
たしかフルーツのサラダとかそんなかんじの名前だったと思います。

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左が「ステラマリス」のノンアルコール版。
ステラマリスは海の星という意味で、クラゲのように上下する様から
この名前をつけたんだそう。本来はシャンパンを使ってます。
右は、あたらしく出す予定(もう出してるのかも)のプティフル。
エスプレッソに合う、ということでオマケで出してくださいました。

---

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クリスマスですが寝クリになりました。
風邪か、インフルエンザ予防接種のせいか?
といろいろ憶測もありましたが、
病院に行きましたところ、結果は風邪でした。
ノロの疑いもあったので、年始まで2週間ほど出勤停止です。
(具合悪くしてからは飲食店に入っていないのが幸い。
同業者様にご迷惑かけずにすんでよかった、となにより)

ここらで、ひといき休むことにします。
実家に戻ってゆっくりします。
posted by さくらこ at 21:06| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | Restaurant | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年12月11日

ササクレヒトヨタケと「マッシュルーム」


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年の瀬も近づいてまいりました。
今回はどこのおみせに行こうかなあと思案していると、
横からひとのミシュラン東京を取り上げ、数ページパラパラとめくり、
自身のいたお店のレビューだけしかめっ面で読んで、
「おれはミシュランとか星とか興味ないしね?」
と本をポイと投げて屁をこきながら偉そうにソファで寝ているおぢさんと、
キノコ専門フレンチレストランに行ってきました。


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マッシュルームとホタテのマリネ ソースシトロン

おぢさんが今回選んでくれたのは恵比寿の「マッシュルーム」
シャンピニヨンとはフランス語で「キノコ」とか「マッシュルーム」の意。
私は大のキノコ好きです。むちゃくちゃキノコ好きです。

お店の入り口に陳列されているたくさんのキノコのオブジェに
「おれの国産高級マツタケもね?」
とチン列しようとするおぢさんを無視し、お店にはいりました。


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サーモンの軽い燻製
オリーブ風味のメークイン芋と魚卵のピュレ バルサミコソース


1枚目の画像。
プレートのうえに乗ったナプキンの折りかたが可愛い。
タキシード?リボンもついてて、いいなあこれ。
「むかし覚えたはずなんだけどなあ」
と何度も折るおぢさん。思い出せなくて諦めて店員さんに教わる。
ナプキンもおぢさんもかわいい。

このあと本日の鮮魚、コブ鯛のポワレが出たのですが、
ほかのお客様がおられたため撮影してません。


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当店名物 大地の恵み 旬の美味しいキノコ達のソテー

口直しのかわり(?)にアラカルトでキノコ盛り合わせを注文。
(左のほうだけ食べたあと、他のお客さんが帰られてからお店の許可を得て
撮影したため量が少なく見えますが、実際はもっと載ってました)
これは、マッシュルーム名物だとかで、
それはそれはいろんな種類のキノコが盛られてます。
ササクレヒトヨタケ、ジロール、ユキヒラタケ、
ピエブルー、シロマイタケ・・・
特別珍しいなと思ったのは左やや上あたりにある、
つくしのような形のキノコ。これがササクレヒトヨタケ。
ささくれのような形で、一夜でカサが溶けてなくなるんだそう。
これはまだカサがある状態です。長野で作っているもの。
バターでソテーされたこれは、もう、確かに名物料理。
純粋なきのこの美味しさを最大に出しており、
珍しいきのこに興味をしめしつつ味わえます。


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秋田十條舞茸とアワビのグリエ
牡蠣のピュレ 野菜のバスク産唐辛子煮込み添え


手前はアワビの肝。アワビのまわりもいろんなキノコだらけ。
これはソースとかちょっとおぼえてないです。
おぢさんひとりじめ。アワビといえばおぢさん、おぢさんといえばアワビ。

アワビでニコニコ状態のおぢさん、
今日はよほどおなかがすいていたのか、さらにアラカルトでメインプラス。
いやいいけどね、おじさんの奢りだし。

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山形産和牛とマッシュルームのグリエ
熟成バルサミコソースとゴルゴンゾーラクリーム


今日はねえ、ジビエって気分じゃないんだよねえ、
普通のさあ、牛肉とかのいいのを食べたいんだよねえ、
とかブツブツいいながら選んだのがこれ。やわらかーい。
シェアしていただきましたが、おいしい脂がぎゅうっとしみでてきて幸せ。


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蝦夷鹿シンタマ肉のロースト 黒胡麻ソース キャベツのクリーム煮添え

わたしはジビエにしました。
エゾ鹿。
まえに「タテルヨシノ」で食べたほど野性的な味ではなくて、
やわらかでおだやかな味。ほんとうにそれぞれで味が違う。
いっかい食べただけでその動物の味を判断してしまうのはだめだなあ。


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右下、セップ茸のアイスクリーム。
旨い・・・・なんで?キノコのアイスなのに、なんで旨いの?
コクがあって、プチプチが入ってて、
しっかりバニラの味もするし、でもキノコの味もする。
なのになんで旨いんだろう。
最後の最後までキノコ。きのこきのこきのこ。
すごいお店。

食べ終わると、シェフがわざわざ出てきてくださって、
「たくさんご注文いただいたようで・・」
とお礼を言われてしまいました。
ワガママいいながらたくさん食べるひとがいるので仕方ないんです(涙)
きのこに興味をしめしたおぢさんは、
しばらくシェフと入荷ルートとか栽培とかいろいろ話してました。
食べ物とワインのことになると興味津々になるおぢさんは、
ミシュランとか星とかに関係なく、
おいしくて最高で、きちんと食を追求されているお店に
とても敬意をはらっていて、ちゃんとしたお店を選んでくださる。
いつもいつもワガママばかりのように見えて、
ちゃんと考えているんだなあなんて思いながらお店を出ました。
今回も、とてもとてもいいお店でした。




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2007年11月24日

山ウズラとジビエ「カーエム」

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わがままおぢさんのご要望で代官山「カーエム」にジビエを食べに行きました。
おりしもボジョレー解禁日のすぐあとということで、
カフェでボジョレーの寄り道。
日が暮れた代官山の街並みは、クリスマス装飾で華やかでした。

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オードブルは、
エスカルゴと落としたまごのブルギニヨン煮込み(上)
スプーンで大きくすくったフォアグラのテリーヌ(下)



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シャンピニヨンのスープ、フォアグラのフラン添え(下)
上はおぢさんの頼んだ魚のポワレ。なんの魚だったっけ。


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ぶどうの葉で包んだ山うずらのロティ、セップ茸のロティ添え

これはおぢさんの頼んだもの。
ジビエを食べに来たのですが、猪の煮込みがたまたまなく、
結局食べたいものを注文したらジビエではなくなりましたが・・
この山うずら、とても野性味があって濃厚で力強い味でした。
おいしい・・・さすがというか。肉料理に本当に強いお店だと思います。


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オックステールの赤ワイン煮込み

私の頼んだヴィアンド(肉料理)。
シェフのスペシャリテだというだけあって・・
ソースを味わった瞬間のおぢさんの表情が、
ものっそい至福の表情で、これ以上ないほどしあわせそうでした。
ここのお店は赤ワイン系煮込み料理に強いかもしれないです。
味にたとえようがない。じっくりと舌に染み渡るワインと肉の味。
是非これはお勧めしたいと。心から。

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一緒に出てきたガロニのお皿。
フロマージュはウォッシュと青カビで。

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この日はゆっくりとフロマージュを味わいつつ、
おぢさんに赤ワインとフロマージュ、レザン(ぶどう)の相性のお話を聞きました。
このひとと会えて、この道を志そうと思えて本当によかったなあと、
そう思えるお話。
いつかこの道を志すことをやめるときがきても、
この先ずっと、フレンチを食べ、ワインを飲むたびに
このひとから聞いて教わった話を何度も思い出すのだろうと思います。

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お茶とプティフル。
マダムが、デジカメ撮影のことをずいぶん気にしておられ、
ブログに載せて、お店にないメニューのことを書いたり、
そんな人いないのに、いない人のことを書かれたりということがあって。
とずいぶん心を痛めておられたので・・

今回は表記されているメニュー名しか書いておりません。
本当に、心からおいしい料理たちでした。
またいつか行きたいと思ってます。
posted by さくらこ at 01:14| 東京 ☀| Comment(3) | TrackBack(2) | Restaurant | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年10月31日

蛙と鶏冠と豚の脳みそ「タテルヨシノ」

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10日と日を置かず「タテルヨシノ」ふたたび。
私もおぢさんも、どーーーしても気になる食べ物があったので。
チーズの風味の強いグジェール、アペリティフは白と、おぢさんはシャンパンで。

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アミューズは山羊乳のブランマンジェ
ビーツの薄切りをシブレットに通してあります。
シブレットを、この長いまんま食べるのだけが「???」て感じ。
まあ飾りだから食べなくてもいいし食べても長いからってマズくなはいですが。
そして相変わらず女性用にはお値段の書いていないメニュー表。

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ふたつめのアミューズはカワハギのマリネ
ちいさなくしゅくしゅのポテトのスフレの上にのせて。
実質プチチーズもあわせて、アミューズ3段階で嬉しさ3倍。
カワハギのマリネは、いままでのアミューズのなかでいちばんかも。
噛むと、ほんのり塩の風味にカワハギのうまみがじわっとあふれ。


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パテ・アン・クルート ステラマリス

おぢさんのオードブル。でかい。とにかくぶ厚い。
どどーんとしたサイズで、さすがの痩せの大食漢のおぢさんも苦笑。
パイの中身は、上から、白レバー、フォアグラ、鴨のパテ。
いちばん上はジュレで、これはパテ・アン・クルートで焼いたあと、
出来た隙間にコンソメのジュレを流し込むんだそう。
上にかかっているのはトリュフ。
いろいろ詰まっているおかげでさっぱりと濃厚を行き来し、重くない。
ご機嫌でスタートしたおぢさんは今日もオールアラカルト。
食います。


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オマール海老のブータンとグルヌイユのムニエル

泡のようにとけるオマールのブータン。ムースの口どけ。
前者の、おぢさんオードブルの迫力にかき消されて、
どうにも地味なイメージがしそうだが、きめこまかく強いオマールのうまみが
じわーっとムースのとろけから染み出す。

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グルヌイユはカエルのことで、後ろに見えるミニチキンのようなものが、
カエルのムニエル。味は・・・濃い目で強めの鶏肉。


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でました。おぢさんのポワソン(魚料理)は、今回はアワビ。
グリエしたアワビを、サービスの方が目の前で切ってくれる。
なんでか、それをじっと見てるまわりのサービススタッフ。なんで?
ここのアワビは、お値段が比較的他店より安め(?)らしく、
おぢさんがずいぶん不思議がっておりました。
100gで2200円ほど。
400gでも1万いかないし、普通は結構いいアワビなら15000円くらいは
いくだろうに、どうしてかなあ?みたいな金持ち発言をしていたおぢさん。
金持ち憎い。

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オホーツク産 活あわびのグリエ(450g) ソースレフォール

これは・・
もう。素晴らしいとしか言いようがない。
本日だんとつに旨かった。舌にしみこむ鮑の美味・・・
肝をぬりつつ鮑を食べるおぢさんは美味すぎて無言。


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テッド・ドゥ・コション ソーストルティユ

本日わたしはWヴィアンド(肉料理)でいくことにしましたです。
魚ナシの肉2回。
テッド・ドゥ・コション、これ食べてみたかったのよ。
豚の頭皮(焼き鳥でいうカシラの部分)、豚の脳みそ、鶏の鶏冠(とさか)、
豚の舌をじっくりゆっくり煮込んでトロリとやわらかくしたもの。

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中央が豚の脳みそ。左は豚の頭皮。
きめこまかくて強烈な濃厚さ。コラーゲンたっぷりなんだそうだが、
そう、まさにコラーゲンの味。舌に強く残る濃厚さにやられる。

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鶏の鶏冠(とさか)。
意外にやわらか。かみごこちはそんなに強くなく、
これも「コラーゲンの濃厚な味」が強くて鶏冠そのものの味がわかりづらい。
気持ち的にやや抵抗はあるものの、味は悪くない。

これは、旨いとかまずいとか考える以前で、
不思議な食べ物を恐る恐る食べるのみに頭が先行し、
なにも考えることができなかった気がする。とにかく濃厚。


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ヴィアンド前に赤。
わたしはすでにヴィアンドに入ってたんですが、
濃厚さにやられて、普段ほとんど飲まない赤がほしくなり。



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国産牛フィレ肉のポワレ ボルドレーズ

おぢさんのヴィアンド。
お、おぢさんにしては珍しく地味にいったなあと思ったら9000円ほどらしい。
値段も見ずに注文する金持ちが憎い。
フィレの上にのっているのはモアル。骨髄。


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野鹿のロッシーニ風(ハーフサイズ)

これは、私が、コースにプラスしてアラカルトでオーダーしました。
どうしても食べたかった一品。食べ切れそうにないのでハーフ。
とがって反れているのは薄いチョコレート。鹿の角をイメージだそう。
上にのったトリュフがコリコリで美味しい。
蝦夷鹿は以前にも、知床に行った際、仲のよかったおやっさんのいる居酒屋で
出していただいたときに刺身として食べたきり。
さて、二度目の蝦夷鹿は。

カエルとかワニって普通に鶏肉と同じ味で、あっさり。
抵抗がないことが多いのは意外にそういったゲテ系で、
それに対して、鹿肉はアクが強めでいままで食べたことのある肉とは
まるで違う味でした。とにかく、野性味の強い味。舌に濃厚に残る違和感。
違和感といっても、マズイとかニガイとかそういうのではなく、
「いままで食べたことのない味だ!」という違和感です。
うーん。じーっくり味わいながら食べちゃいました。
おいしいけど不思議な味。
知床で食べたのはあっさりと淡白な味だったけど、これは濃厚。
獲れた時期の違いかな。ジビエ最高。


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アヴァンデセール。
わがままおぢさんの食後の喫煙のため、今回もテラスに移動。


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上がおぢさんのデセール。
下がわたしのデセール。ラム酒の香りのするババ
ささってるのはバニラの葉。バニラのいい香り。
ババはババロアのことですね。

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プティフル。
サービスの方が、気を使ってくださってマカロンがふたつに。
ほんとうに嬉しいです。バラのマカロンとピスタチオのマカロン。
今回もとってもおいしくて、とっても幸せなサービスでした。
ホワーっとした気持ちになれて嬉しい。ストレス抜けるなー。

なんでいつもランチなのにランチの値段じゃないのか、
と突っ込み入りまくりのおぢさんのランチですが、
今回はグラス2杯ずつでフロマージュなし、5万ほど。
オールアラカルトで頼んでるせいでランチで行く意味の全くないおぢさんは
いそいそと夕方から勤務先に向かいました。昼間遊んでていいのか。
金持ち憎い。


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お花屋さんのハロウィンのかわいい飾りつけも今日で最後。
さびしい気も。これからは赤と緑のパレードかな。

もう、11月。おぢさんと会ってから1年がたつ。

 
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2007年10月23日

キジのブイヨン仕立て「タテルヨシノ」

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「吉野さんの料理が食べたいねえ?」
とほざくおぢさんと「タテルヨシノ 芝パークホテル店」に来ました。
最近は週1ペースのフレンチ。
秋はジビエのシーズン、
鹿、うさぎ、キジ、いろいろ楽しみな季節です。
今日のワインはリースリング、いつものドイツのではなくフランスです。
あ、そうそう、
ここも「アピシウス」と一緒で、女性に手渡されるメニューには値段がありません。
男性のほうのみ、値段表示。
もし男がヒモだった場合、どないすんのやろか?

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上左は、おぢさんのアミューズ、上右はわたしのアミューズです。
おぢさんはこの日、オールアラカルト(単品のみ)注文、
わたしはランチコースの5250円のほうにしました。
おぢさんに出していただく手前、遠慮をしました。
ランチコースは2500円、5250円、7000円の3種。
下の栗のクリームスープは、オールアラカルトのおぢさんについてきてた、
ふたつめのアミューズ。アラカルトだとアミューズの数も違う。

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キジのブイヨン仕立て 腿肉のキャベツ包みとクネル
5460円


この一品だけで既にわたしのランチコースの値段を越している、
そんなおぢさんのオードブルはこの時期でもあまり見ない、キジ。
上のトリュフがとても香ります。

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「この品はふた皿でひとつのおさらですから♪」
とおさらにキジのスープを注ぎつつ、
わざわざふた皿で撮りやすく置いてくださるサービスの方。
ありがたいです。

さて、はじめてのキジは、鶏のささみそっくりの味でした。
つまらない感想で申し訳ありませんがそうとしか例えようがありません。

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喜界島の仔ヤギのカルパッチョ 4090円

ヤギのカルパッチョですよ?
ヤギは痛みやすいとかで、あまり生では普通は出さないそうで、
ここのお店は、吉野シェフの故郷の喜界島にある、
ヤギ農場から直接仕入れているとかで、そのため、生で出せるそう。

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ドアップは携帯で。おかげで色合いが悪いですが・・・
端にあるのは皮のあたり。コリコリとした食感は「ミミガー」そっくり。
肉の食感も、コリコリとしてややかため。
いままでにない歯ざわりと味。いや、うまいです。めちゃめちゃ。


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天然スズキのポワレ 甘酸っぱいブドウ果汁とともに
6090円


おぢさんのポワソン。魚料理。
相変わらずカリカリ好きなおぢさんは、ものすごい上機嫌でたいらげる。
スズキの身が、ばっつんばっつんで弾力があり、
素材だけでも非常に旨い。素材の存在感が凄い。
さてこの画像だけなんか写し方がちがうわけだが、
これはこのときのサービスの方が撮ってくださった。
「タテルヨシノ」におられた、黒服のサービスのおふたかた、
非常にきめこまかく、行き届いたサービスをしてくださるうえに、
ちょこちょことおふざけをして楽しませてくださった。
途中あたりから、おぢさんがサービスのひとりをやたらと気にし始めて、
「いや、あれは凄いよ。おれ、あんなサービスマン、久々に見た。」
なんて、いままで一度も言ったことのないようなことを言い始めた。
おぢさんがサービスマンにたいしてそこまで言ったのは初めてで、
帰り道も、ずっとそんなことを言ってて、
よっぽど気に入ったのかなと思ったら、数日後、また行くと言い出し。
それはまた後日の日記にて。


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アンコウのポワレ ギリシャ風野菜とともに

こちらはわたしのコースのポワソン。
前に出たスズキのバッツンバッツンぶりに、
あんこうの弾力が完全に負けていました。タテルヨシノのスズキすごい。


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仔羊のロースト クルミのペルシヤード風
マルシェからの野菜添え  6825円


おぢさん御用達、いつもの仔羊。
これは・・・仔羊のブーランジェ風なのかな?
食べてないのでちょっとわからないです。


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鴨肉のロティ

ソースカナールかな?これもちょっと忘れてしまったけど、
(と思ったらエピス風味でした。記憶の劣化が激しすぎる今日この頃30代)
クセの強めの鴨肉も、やわらかく胃にすべりこむ。
「これは・・絶対旨いよ・・」
とため息をつきつつ、おぢさんが私の皿からふた切れ横取りしてご満悦でした。
身はやわらかく、とてもとてもおいしくて幸せな鴨の味でした。


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さてフロマージュタイム。
ここは、ヴィアンド(肉料理)が終わると、
台車でフロマージュを運んで、注文の有無をききにこられます。
もちろん、フロマージュもたべるぞ!と。ふたりで、4切れ。
ちなみにひときれ1000円でした。
あとで知る。
ここのフロマージュは、うわさどおり、すごく状態がいいですよー。

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わたしはシェーブル(ヤギ乳)と羊乳のチーズ。
おぢさんはウォッシュと白カビを食らっておりました。
ひと段落つき、喫煙で席をはずしたおぢさんと入れ替わりに、
サービスの方がふっと来られて、
「お客様、サービスの仕事の方ですよね?」
と。
なんでわかったんだろう、と、(いや、わかるだろ)
「わかりますか?」
と聞き返したら、
「いや、わかりますよ、」と笑顔で答えられた。
それもそうか。
意識してなかったけど、どうもわたしはカトラリーのゆがみが許せないらしく、
あちこちでちょこちょことまっすぐに直すらしい。

「ご一緒の男性は、シェフですよね?」
と、続けて笑顔でおっしゃるサービスの方に、
もう笑いが止まらないわし。
確かにこの日のおぢさんは、いつものような黒スーツでもないし、
髪の毛もオールバックじゃなくふわふわ地毛の茶髪だったけど、

帰ってきたおぢさんにそれを伝えると大爆笑。
ヒーヒーとのたうつ。
別にシェフっていう職業がどうこうじゃなく、
こぎれいな、サービスには見えなかったっていうのが、もぉ。
普段はびしーっとしてんのに。


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アラカルトのおぢさんにはアヴァンデセールが。
デセール(デザート)の前にプチデザート。
フレンチでがっつりコースにすると、ヴィアンド(肉)のあとの流れが、
フロマージュ→アヴァンデセール→デセール→カフェ→プティフル
なんてことになって、怒涛のデザート責めになったりすることも。
甘いのがさほど好きではないので結構な地獄絵図だ。
外国人が歳をとるとやたらと樽体型になりやすいのも頷ける内容。
(ちなみに「プティフル」はカフェとともに食べるプチ菓子)
おぢさんのアヴァンデセール(デザート前のデザート)は
「エピス風味のシャーベット」でした。


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さて、デセール。
上はモンブラン。
これは、もう、強くお酒をきかせたモンブランで、
そこらにあるモンブランとはぜんぜん別物。別格。
むっちゃくちゃおいしいけど、がっつりコースのあとだと重い。
下はわたしの頼んだクイニーアマン。
こんな形のクイニーアマンもあるのね。
とってもおいしくて、底はカリカリのキャラメリゼなんだけど、
これも、重たいコースのあとだと、完食に苦しみました。


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珈琲とプティフルは、ガーデン(?)で。
喫煙できるから・・・・・

わたしかわいそう。

右下のチョコをつまみながら、
「これは・・・絶対にうまいよ・・・」(2度目)
と半分食べて旨さにじーんとしているおぢさん。
「旨いからおれが食う」
と、残りはんぶんをパクンとするところを必死で阻止。
激しい攻防戦のすえ、チョコの残り半分を奪い取りました。勝利。

プティフルとアミューズが、お得感いっぱいでいままで「アピシウス」が
だいすきだったんですが、同じようなアミューズにプティフル。
おまけにサービスは最高に心地いいし味も最高。
「タテルヨシノ 芝店」は、わたしのなかでは、
「アピシウス」とほど同点の、「いちばん」好きなレストランになりました。
サービスの方、その節は本当にありがとうございました。


ちなみに今回、お値段をいうととても周囲に
ランチなのに?とずいぶん不思議がられましたが、
お値段は上に書いたとおりです。しめて4万円也。
わたしはともかく、連れがランチであろうとディナーであろうと
まったくおかまいなしのアラカルト注文なせいだと思います。
普通に行けば、ひとり3500円のコースにグラスシャンパンで、
サービス料やら諸々で、せいぜい5000円超えくらいかと。
ランチでは特に、手軽に濃厚なひとときが楽しめます。




港区芝公園1−5−10 芝パークホテル別館 1F
03-5405-7800
11:30〜14:00(L.O) 18:00〜21:00(L.O)
無休(但し日曜はランチのみ)

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2007年10月10日

鳩のロティ「ヌーヴェル・エール」

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レストランのバターが好きです。
小細工がしてあって、とてもおいしいバターが。
今回のレストランで出たバターには、岩塩が振られたものと、
なにもついていないバターとが出ました。
バターにちょっと細工があると、それだけでなんだか嬉しくなります。

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オードブルはフォアグラのポワレ、バルサミコソース。
ガロニは食用ほおずき。

この日は、新丸ビルのなかにある「ヌーヴェル・エール」という
フレンチレストランに行ってみました。
最初は「アピシウス」に行く予定だったのですが、

私が、
「着ていく服がない」
とメールで送ったところ、
おぢさんから、
「はいていく靴がない」
というメールが来たせいです。

仕事のしすぎで当日の朝になって靴の底が抜けたおぢさんと、
休みがなくて寒くなったのに衣替えもできていない私は、
当然ランチでもドレスコード有りのアピシウスに行くことができず、
靴を購入していると時間が遅くなってしまうため、
予約を入れていないので満員でお店に入れなくなってしまうであろう、
ということで、靴を買ってから「ヌーヴェル・エール」に行くことにしました。


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赤座海老のパータブリック包み揚げ、
トマトのクーリとヴァンブランソース。

ランチコースは数種のなかから選ぶことができ、
3000円と5000円の2コースがあります。
この日は、ふたり揃って5000円のコースに、
アラカルトから一品ずつヴィアンドを選びました。
つまり・・
オードブル、ポワソン(魚)、ヴィアンド(肉)2品、デセール。
もう、メニュー全体がかなり重たいことに・・
私が鳩をどうしても食べてみたかったのと、
おぢさんがランチコースのほうでない子羊が食べたかったせい。
ランチコースのほうにも子羊があったのですが、
そちらの調理法が嫌だったそう。わがままめ。(おまえもだ)


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ハタのポワレ。


サービスの方はとても年齢層が若く、
新丸ビルにありがちなレストラン風景でしたが、
しっかりしている人はとてもしっかりした説明ができ、
また、逆にできていない人は、説明ができないのか知らないのか、
肝心な説明をまったくせずに立ち去ったり、
口のなかでモゴモゴ言って明らかにごまかしに入っていたりで・・
人によってサービスの良し悪しがくっきり分かれるお店だなと思いました。


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子羊のラグー。
じっくり煮込まれて肉がほろほろと崩れ、やわらかく美味しかったです。


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ブフ・ド・ブルギニヨン。
牛をブルゴーニュ赤ワインで煮込んだもの。


この日、黒のスーツにグレイのワイシャツ、オールバックのおぢさんは、
有楽町で待ち合わせをした際、明らかにそのスジの人でさえもよけるほど、
どこからどうみてもヤの人にしか見えず、
そのくせ「革靴の底が抜けちゃってさあ」と予告したとおり、
靴だけなぜか変な布のシューズ。傘はビニール傘。
取り合わせがむちゃくちゃなのに、
「みんなおぢさんの靴見てたでしょ、変だし」
と聞くと、顔と格好が怖いのでみんな上半身しか見ず、
幸い誰も靴に気がつかなかったそう。
とはいえ、レストランにこんな格好のおぢさんは浮きまくりで、
一緒にいる私はどう見てもキャバ嬢みたいだしで、
途中、わたしがお手洗いで席をはずしたすきに、
サービスの方がちょくちょく来ては、いろいろ聞いていったそうです・・
おぢさんがひとりだったので暇をもてあまさないための配慮かもですが。

キャバ嬢と思われた私かわいそう。


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子羊の背肉のロティ。


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フランス産、鳩の3種の肉を使ったロティと、
腿肉のじゃがいものアルメット巻き揚げ、ジベソースと。

食べてみたかった鳩は、
足の部分を見てあまりにグロテスクだったのと、
(今思うとそうでもないが)
具合が悪かったのにダブルヴィアンド(肉料理ふたつ)にしてしまったのとで、
途中、食べられなくなり・・・・本当に、レストランに申し訳ないです。
足の部分はとても甘く、胸肉は、鴨にちょっと似てました。
クセは少しあるものの、美味しいです。ただ、わざわざ選ぶことはもうないかな。

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おぢさんがやたら気に入っていた酸素のたくさん入ったミネラルウォーター。
ほかのミネは残しても、これだけは、
「これは飲む」
とわざわざ言いながら飲み干してました。


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デセールにまでなると、ほぼ記憶がない。
具合の悪さ、ピーク。

サービスの方が、おぢさんに、
ちょいちょいといろいろ聞いてきた際、
私の職業も聞いてこられたそうなのですが、
「あの子はどっかの金持ちのお嬢さんらしいですよ、
俺からしたら牛丼のほうが好きなんですけどねえ?」
みたいな返答をふざけてしたおかげで、

お会計の際、明細がなぜか私のそばに。
普通、男側におくよな。ヒモに思われたんだろうなあ。
おぢさん大爆笑。



泣こう。
 
 

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2007年09月18日

ブータンノワール「ル・プティ・トノー」

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新宿ワシントンホテル最上階からの眺め。
西新宿からの眺めは、
東京の街を「実物よりもうまく表現」していてとても好きだ。
実際の風景を指して「実物よりも」という言い方もなんだか変だが、
なんとなくそういう言い方のほうがしっくりくる気がした。

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山梨のワイナリーに行ったときに、
レストランの時間待ちで近くの図書館に入って、
おぢさんが、読んでいた月刊誌のレストラン雑誌に出ていたメニューを
じいぃいいいっと凝視、ページに穴があいた頃、
「これ食いたい!フィリップ・バットンの店の!」
とおぢさんが切なそうに訴えはじめ、翌週、そのお店に行くことになった。

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おぢさんがシェフの名前を覚えているお店はだいたい
えらく敷居が高かったり、高級だったりすることが多かったのだが、
今回は珍しくビストロだった。
(と思ったらやっぱりこのシェフ、有名なシェフでした・・)
いつものお礼に、と今回は私が奢りを申し出たので、少し安心。

「おれね、グランメゾンよりもね、ビストロのほうが大好きなんだよ。
ちいさいころさ、専門の食い物屋につれていかれるよりも、
安くても気分によっていろいろ選べていろいろ食えるファミレスのほうが
たいして美味くもないのに、高いところより嬉しかった感じに似てる」

そうそう、テーブルにいっぱいお皿並べてね。
ってあんたは子供か。いや、その気持ちはなんとなくわかるが。

「だっておれ、君と違ってグランメゾンとかいっぱい行ってるし、
もう飽きちゃったし?ビストロのほうが楽しいよ。今はもう。」


一言余計だ。


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スズキのカルパッチョ パルメザン添え(H) 1200円
鴨もも肉のコンフィ(左) 3000円
手長海老とトマトのガレット ピストゥー風味(右) 3400円



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本日のお魚料理(すいません忘れた)(左) 2500円
自家製ブータンノワール(H)(右) 1400円
とろける牛ほほ肉の赤ワイン煮 ハチミツとクミン風味のにんじんソテー 3800円



見たらわかると思うんですが、見事に撮影失敗。
店内が暗くなる前にとっとと撮影しればよかった。
で、画像をちいさくしてごまかすことにしてみた。
メニューを書いてあるものの画像がないのはさらに酷い出来のものです・・

(H)と書いてあるものはハーフサイズで、
ほとんどのメニューがハーフOK、おかげでいろいろ食べられます。
自家製ブータンノワールは今回わたしがいちばん楽しみにしていたものですが、
(これも雑誌に出ていたような)
春のおぢさんの誕生日に行った六本木のブーケ・ド・フランスの
ブータンノワールのテリーヌ風のほうが数倍美味しかった気がします。
ブータンノワールが出てきたとたん、

「ほら!君の大好きなのがでてきたよ!これでもしゃぶってろ!」

とめんどくさそうに言うおぢさんを無視して、ガルニのりんごのソテーを食す。
とにかく、ハーフサイズがあるおかげでじゃんじゃか注文できる。
いろいろ食べられて、とても嬉しい。

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焼きりんご。1200円。
ギャルソンが来て、テーブルで焼きりんごにリキュールをかける。
「写真!」とジェスチャーで教えてくれるフランス人ギャルソン。
「?」と思いつつカメラを構えると、リキュールに火をつけた。
生地が暖かくなり、アイスがわずかにとろけてとても美味しい。

ギャルソンは、ほとんどがフランス人で、
この日、シャンパン、白、赤、と、ワインを全部グラスで頼んだのだが、
すべてギャルソンのおすすめで進めてみた。
ちなみに私がフランス語をしゃべれるはずはなく、
おぢさんが全部フランス語で注文。
あからさまな差を見せ付けられた瞬間。

意外や、牛ほほ肉の赤ワイン煮はさほど期待したほど美味くなく、
魚料理(忘れた)は非常に美味しく、前菜系もなかなかいい。
肉料理で美味しい!というものは、食べた限りはなかったような気がする。
ワインも飲んで2万ちょいくらいだったので、
ディナーでたくさん食べたいならいいお店だと思いました。
お店の方も皆さんとても感じがよかったです。


ル・プティ・トノー(LE PETIT TONNEAU) 虎ノ門店
(麻布十番、九段下にもあります)
港区虎の門2-1-1 商船三井ビル1F
03-5545-4640
定休日 日祝休
http://www.petitonneau.com/


 
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2007年09月04日

チョココーラソース「シェ・松尾」

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たまには都内でランチでも食べようかって話しになって
おぢさんと渋谷で落ち合いました。109前で待ち合わせ。
当日まで、どこのお店に行くかは教えてくれなくて、
行った先は、渋谷にある「シェ・松尾」。

オホーツク海産タラバのブランマンジェ、
ビーツのヴィシソワーズ ロワイヤル風。

おぢさんがお店のひとに頼んで、
今回はすべてシェフのおまかせで料理を進めました。
ヴィシソワーズは、タスキュィエールで混ぜまくると、
中にタラバがどっさり詰まっており、
ヴィシソワーズのつめたさと相まってとにかくバランスが取れていて美味しい!

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続いて出てきたこれは、
ポテトをまとった真鯛のオーブン焼き ポルチーニ茸のソース。
塩加減と焼き加減が絶妙で、これもとにかく美味しい。
ここまではふたりして夢中で食べきった。うまいよー。

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問題はここ。
牛ロースのポワレ、茄子のロースト
ロングマカロニ添え、チョココーラソース。



チョココーラソース?


牛ロースにチョコレートとコーラのソースですよ奥さん。
いや・・・これは・・・
確かにチョコとコーラの味。
しかし、肉に?これは難解。
まっず!ってわけじゃないんですが・・・
でもアラカルトを見て「チョコとコーラのソースがけ」とあったら
やっぱり好奇心で頼んでしまうかもしれない。
そういえばロングマカロニがアスパラに見えたひとがいましたが、
そういわれると確かにそう見えるなあと・・思いました。
こんなに長いマカロニも初めてみた。

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先ほどの頭のなかが「???」であふれるような不思議なソースがまるで
なかったかのように、ごく普通に、つつましくデセールに流れてゆきます。
アーモンドプラリネのムースグラッセ、
ビターチョコのソルベ 野バラのクーリ。


野バラ風味ってなんかいいなあ。
味は濃厚で、さきほどのチョココーラに追い討ちをかけるようで
まあまあいささかムニャムニャだったんですが、
ヴィシソワーズ〜ポワソンまでの味は、本当にレベルが高かったです。


「チョココーラっ」


おぢさんはお店を出たあともしばらくこだわっていました。
チョココーラの意図に。
「どうしてもたまに来ちゃうんだよね、シェ・松尾って。
味がね、やっぱ美味しいんだよ。
あまりにメジャーになりすぎて、来るのが悔しい気もするんだけど・・
でもやっぱり来ちゃう。だって、美味しいから。うんうん。」
次はチョココーラがないといいね、おぢさん。


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この次の日だかに、大型台風が上陸してきて、
サラリーマンな友人らの会社ははやめに会社命令で帰っていたりで、
そんな最中、渋谷駅で終電ギリギリまでぼんやりしたりしてみた。
台風は、被害さえ出なければ、
そのさいちゅうに外の安全な場所でその様子をじっと見るのが好きだ。

台風のさなかでも、渋谷はやっぱり渋谷だった。
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2007年07月31日

ドンペリのかき氷「マキシム・ド・パリ」

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梅雨の合間の炎天下。銀座。
焦げそうになりながら地階に非難。
おぢさん(43)と「マキシム・ド・パリ」でお茶をする。

よそでごはんを食べてしまって、
さてなにか軽く、とメニューを広げるとどでかくプリントされた「ドン・ペリニヨンを使ったかき氷 2100円」の文字。ふたりして「おおおおっ」と歓声をあげる。馬鹿だ。馬鹿すぎ。最高のシャンパンの使い道を完全に間違っとる。完璧イロモノ路線。mixiにこのことを書いた際、マイミクの方に「これ以上下品な食べ物を見たことがない」とコメントをいただいたのだが、同感。ほぼ同じことをおぢさんも口にする。
「すごいねえ。しかもマキシムで。誰がこんなものを考案したのかを是非聞きたいところだねえ。ドンペリを侮辱し下品という意味ではホストクラブは最低最悪だと思ってたけど、マキシムがコレをやっちゃうって、ある意味下品さにおいてホストクラブを突き抜けちゃったねえ。素晴らしいねえ。」
かつてドンペリ関係の仕事をしていたおぢさん、せつなそうに笑いながらおっしゃる。
「きみ、これ注文しなよ。似合ってるよ。」

なんだその似合ってるってのは。イロモノ路線か私は。

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ドンペリのかき氷(マスカット) 2100円

店員さんに「ドンペリのかき氷」と告げると、大爆笑するおぢさん。
「いや、ほんとに頼んじゃったよこの子!!!!!」
頼めつったの自分じゃないか。ひどい。
フルーツはいくつかの中から選ぶことができ、マスカットにした。
粋のかき氷が運ばれて来、ギャルソンが「ドンペリ99年ものでございます」と告げ、おもむろにかき氷に注ぐ。きらきらと黄金色に輝くドンペリ・・・・・が、かき氷に注がれる。
モノスゲーマヌケで、モノスゲーキレーな光景。なんだこの成金的光景は。

味は・・・
まあ・・・
シャンパンは水で割るものじゃないですからねって味でした。

お店の方に
「しかしなんでまたあんなものを考案したんですか?あんな下品なものを」
とはさすがに聞けず、考案者もその理由もわからないまま・・


---

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焦げます。


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広尾の「マルガメ製麺所」の生じょうゆ。650円。
仕事で広尾に来る際、いつも通る道にこの店はあるのだが、いつも閉まっておりまして。青山で買い物をして広尾に寄った日付のかわる時間には開いていました。ただのうどん屋ではなく、居酒屋うどん屋のよう。こ洒落た内装に讃岐のうどん。場所が場所なもんで、値段が讃岐うどんの値段じゃありませんよ。
注文してから茹でるようでえらく待たされたうえに妙にカウンター内で茹でている男の対応が悪い。絶対こんなところで旨いはずがと思っていたのだが、麺のコシといい、しまり具合といい、めちゃめちゃ旨い。麺のコシを味わいたかったので今回はしょうゆにしたのだが(ダシなし)次はダシ有りで来てみたい。
でも接客態度は直してくれ。テレビに出ただなかんだか知らんが。


マルガメ製麺所
東京都渋谷区広尾1−7−17
03-5475-6021
11:30〜15:00
18:00〜翌3:00
無休


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2007年07月29日

食の記憶「レストランひらまつ」

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前の職場の友人の誕生日パーティーだった。
友人つながりで、広尾の「レストランひらまつ」で食事会。
人生の都合で辞めてしまったのだが、
その後も幾度か都内で遊んだりもしたひとたち。
そして、今回もまた、久々に皆と話し込む。


フォワグラのテリーヌのトランシュ
フォワグラとハチノスのブリッグ包み焼き
真鯛の備長炭焼き オレンジの香るマルサラ酒ソース
コアントローマセレのフルーツ



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けっこう毒々しい色をした赤紫のピュレはビーツ。
ビーツの説明はここをどうぞ
ビーツのピュレやバジル、にんじんのピュレがアペリティフの際に出てきた。
苦い。美味しいものではないが珍しい。


結構時間がたってしまったので忘れてしまったものも多いが。
しかし画像がないと案外思い出せないものだなあと思った。
ブログでの食事の撮影についていろいろ言われることもあるが、
食べ物を記録することは、日々の記録でもあると思う。
あの日なにをしていた?と聞かれ、なにもなく何年後も覚えているのは難しい。
日々の食べ物の記録を見ると、その日のことがいつまでも思い返せる。
不思議なものだと思う。
いまではもう会うこともできないひととのかつての楽しかった時間、
そんなものを思い出すため、私は食べ物の写真を撮っています。

---

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吉祥寺に「吉祥寺麺通団」が新規オープンした。
新宿の「東京麺通団」の店長さんがひらいたお店。
讃岐の本場のうどんの味を東京で再現できている数少ないお店。
新宿より美味かったです。
麺のコシが味わいたいなら、つゆなし、
ダシの美味さを味わいたいなら、あつかけがおすすめ。



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よっちゃんと合流して吉祥寺「汁べゑ 離」で豚バラ串とモツ鍋。
両方ともお店のおすすめメニューなんだけど、
むっちゃくっちゃ美味かった。



井の頭 汁べゑ 離
東京都武蔵野市御殿山1-3-1 松山ビル1F
0422-47-9465
17:30〜24:00(L.O.23:00)
無休


posted by さくらこ at 01:45| 東京 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | Restaurant | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年07月24日

子羊のロティ「ベージュ東京」

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カリカリのおぢさん(43)と銀座の松屋前で待ち合わせ。

今日は銀座シャネルの10階にある、シャネルと三ツ星シェフ、アラン・デュカスのコラボレストラン「ベージュ東京」でランチ。シャネルが嫌いでレストランとしての前評判もよろしくないこのお店、私は青山の「ピエール・ガニェール」のほうがいい、と主張していたのですが、

「いやー、シャネルだからねえ?」(意味不明)

わが道をゆくおぢさんの主張の前に、私の主張など通るはずもなく。(奢り主だし)


シャネルの裏口のようなひっそりとした入り口を入ると、予約係が。
予約名を告げ、エレベーターに乗る。
エレベーター内のボタンまでもがシャネルマークで可愛い。


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まずは泡。水はガス抜きで、PANNA。チーズのシュー。
この泡なんだったっけ。

「ローランペリエのブリュットだよ。因みにローランペリエのプレステージはグランクリュ。
大変クオリティーの高い良いシャンパンハウスで、シャンパーニュ生産量第3位を誇ってるよ。」
とおぢさんのご返答。

アミューズは「カリフラワーのポタージュ、カルダモンの香り。器は京都の何とかの京都木をくりぬいた漆塗りの器。だそうです。食べて数時間しか経っていないのにきれいさっぱり忘れる自分が、料理の何を語るつもりでいたんでしょうか、とかいう突っ込みはやめてください。


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これがいちばん楽しみでした。
ほかの店舗ではなかなか見られない、オリジナルブール。
奥は北海道の無塩バター。手前はワカメや海草らを使った、シャネルオリジナルバター。これ、時々内容が変わっているようで、ほかのサイトさんでは「白黒コショウやアニスがブレンドされたスパイシーバター」になってました。おぢさん曰く「海草くせえ」。でもとても美味しいです。北海道バターのほうを試すのを忘れてました。
パンはプティバケット(形がかわいい)、バターのパン、あとなんだっけ?3種類。食べ終わるはしからこまめにコミの方がパンを持ってやってくる。あたたかで風味の豊かなパンはとても美味しかったです。(冷たくてかたいパンを出すアピシウスはこの点においては完敗だと思う、ランチでもあたたかいパンをくださいよう、アピシウスさん)



「うわ、くっさ。君、ニンニクくっさ!!!」

会った瞬間、おぢさんがのけぞった。
昨夜、友人らと食った大量の餃子のニンニクが恐ろしいほど効果を発揮。
「一晩たてばにおいなんて消えるよ」
などと悠長なメールを送ってきたおぢさんだが、残念ながらおろし金ですりおろした生ニンニクの匂いはそんなヤワじゃなかった。シャネルのレストランに漂うニンニク臭・・・

「シャネルのレストランに行くのにさ、
普通はね、最低限の身だしなみは整えるわけだよね?
そんな場所にさ、
予約してんのにあっさり遅刻だわ、
理由が虫歯が痛んで寝れなかっただとかだわ、
あげくに半端ないレベルのニンニク臭だわでさ、

君のようなお客も初めてだろうし、

おれも君のような女は初めてだよ。


いやー、すごいね、感心する。余裕があってすばらしいね?」


さすがは一流のサービスのひと、言うことはうまく綺麗にまとまっているが、
どっからどの角度で見てもものすごい嫌味でしかない。
ニンニクくさくてほんとうに申し訳ありませんでした。



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「ソース・オ・ピストーのサラダ」
5500円ほど。

8000円のほうのランチコースにプラス、アラカルトを頼むことにする。
このサラダはカルトメニュー。
残念ながらほかのお客さんのようにメニューを撮影する度胸はなかった。
メニューの名前がわからないので、使用しているソースと材料で説明します。
間違ってたらすみません。なんとなくでわかってやってください。

ピストーソースはバジル、ニンニク、オリーブオイルなどを使ったソースのことで、サラダには夏野菜を使用、白い実のようなものがサラダに入ってましたが、それはアーモンドなんだそう。生のアーモンドの白いのをはじめて食べました。サラダ以外には使えないって味。



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「ウニとホタテのシトロン風味 ウニの香りのカプチーノ添え」

これはランチのコースのオードブルメニュー。
ウニもホタテも、とても強めの海の香りが・・何故?
新鮮でおいしかったけど、私の好きなウニの味ではなかったです。



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「イワシ(?)のバプール」

これもランチコースのポワソン。
イワシだっけ?これは本当に印象に残らなかった。味付けが薄すぎる。
コミの方が「味が薄ければ、塩を、」と塩を渡してくださる。
お店の方も思ってるなら・・・ああ、でもこれは日本人に受けの悪い味ってだけかもしれないね、味付け薄すぎの小魚。イワシ(?)の下のラタトゥーユはおぢさんが大絶賛。こんなラタトゥーユは初めてだねえ、とえらく感心しきりだった。
このメニューは本当に記憶に残っていない。
なのでイワシだったかどうかも・・
イワシじゃなかった気がするんだが。でも見た目、イワシだよね??



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「ポシェ・ド・オマール ソース・ド・コライユ 
プティポワ添え aux KAMAKURA」


これはおぢさんの頼んだアラカルト。9500円くらい。
鎌倉で獲れたオマール海老、コライユは味噌。


「君はおれをカリカリポワレ好きと思い込んでて、だからアピシウスに行ったとき、本当はオマールがあればオマールを頼みたかったんだけど、君が期待の目でおれの方向を凝視するもんだから、なんとなく有無を言わさずって感じでポワレを頼んだんだ。結局オマールがなかったからどっちでも同じなんだけど、先に言っておくよ。おれはね?カリカリおさかなポワレも好きだけど、オマールだって大好きなんだ。あとね、君はよく「ポワレ」と「グリエ」をたまに間違えて言ってるけど、おれが好きなのはポワレだからね?間違えないでね?」

すいませんでした。

オマールの味は・・・・・ものすごく癖のある独特な味がしたんですが、これは味噌のせい?なんだかとても濃厚。記憶に残る味だけど、決して大好きな味じゃなかったと思う。


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「仔羊の背肉のロティ エスペレットとサリエットの香り」
Dos d’agneau frotté de piment d’Espelette et de sarriette.


今日は鴨を切らしているとのことで、急遽、アラカルトより仔羊。カルトで頼むと9500円ほど。「仔羊の背肉のア・ラ・ブロッシュ」というのが、ここと同じくデュカスのプロデュースしたフレンチレストラン「ブノワ」にもあったはず。「焼き具合ちょー最高」とぼそっとつぶやくおぢさん。
皿をものすごい凝視。
これは、これはほんとうにおいしかった。
ソースはちょっと覚えていないがこれはあまり記憶に残らない。だが、この、肉のこのベストな火の通り方、クセもまったく残らない、生まれてはじめて美味い!!!と思った肉が仔羊、それもすごい。
いやーーーーーーーーーーー、
そんなに美味い肉ばっかり食べてきたわけじゃないですが、私の知りうる限りはいちばん美味しいと思えるヴィアンドでした。おぢさんも手放しで感心。ていうか私より私のぶんを食ってました。遠慮のかけらもなく食ってました。シャネルなのに、私の席のまわりだけシャネルじゃない感じ。最低限のテーブルマナーを守りつつ、しかしむちゃくちゃ下品。しかもニンニク臭。



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デセールです。
デセールのシルバーに目を留めるおぢさん。
すかさずコミの方の説明。イタリア製なんだと。
「だよね、どう見てもこれ、イタリア製だよね。」
私にはとんと違いがわかりませんが。

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プティフルは抹茶のマカロン。
コーヒー、紅茶やらはコースでも別注文。
大体が700〜800円でした。


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おぢさんがアラカルトで注文したデセールは、桃のナントカ。


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「カレ・シャネル」

私が注文したのは、世界でひとつの、シャネルの名を冠したお菓子。
ちょー濃い目のプラリネ。濃厚すぎて後半つらい。
ヘーゼルナッツのアイスがついていて、一緒に食べるとさっぱりするのだが、アイスはおぢさんにぶん取られた。相当旨かったらしく、おぢさんは何度も旨い旨いを連呼。プラリネの上に乗っているのもヘーゼルナッツで、合わせてアイスが作られているみたい。
デセールは単品2300円ほど。


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ハーブティーにはハチミツが添えられます。
お砂糖も・・・他店より綺麗に詰められていてかわいい。

板の上に乗った金箔のせチョコレートは、別のブログでは、シャネルマークのついたボタンの形をしたもので、これもとても楽しみだったのですが、メニュー変えをしたのか、ふつうの四角なやわらかチョコに金箔がのっているものになっていました。
板の裏側のなまえを見ようと、そっと持ち上げるおぢさん。
ゴトン、と音を立てて落ちるチョコ。


「・・・・・・・。」


べしっとおぢさんのデコを叩くわたくし。


「さっきプラリネ食べたばっかりだからまたチョコ!?って感じ」
とぼそりとつぶやいた私の横で、「あ、これ旨い!」と言いながらすかさずチョコをふたつとも食べてしまうおぢさん。誰も私のぶんまであげるなんて言ってない。言ってないのに食いやがった。

「・・・わたしのぶんは?」
「・・・・・・。だってきみ、またチョコ?って言ってたから。」
「でも、旨い!とか言ってたから食べたかったのに」

「・・・いや、まずかったよ?」(即答)

「さっき美味しいって言ってたばっかじゃん!」
「いや、まずかった。すごくまずかったよ?」(大嘘つき)

おい。

「さっきもわたしのヘーゼルナッツのアイス食べちゃうし。」
「あれもまずかった。」
「・・・・・・。」

さきほどからの、このふたりの好き放題ざんまい、おぢさんとわたしの、我が道をゆく食事に(いや、普通の店だとフツーにアリな範囲ですよ、シャネルだからちょっとアレってなだけで。ちなみにこのおぢさんは私と違って人並み以上にはお上品です)階段上にメートルっぽい人や(おぢさん曰く)世界第3位のソムリエの人やらがそっと集まってこちらを凝視。明らかに挙動不審。
まあ別に、撮影もコミの方のご協力のうえですし、別にギャーギャー騒ぐわけでも立ち歩くわけでもなく、ただひたすらに

異常にニンニクくっせえ

のと、横にいるわたしの肉をそっと気がつかないうちにさらうのと、チョコをボトンとテーブルに落としたくらいですかね、いや、かなりの確立で明らかに同業者だとバレバレだったとは思うんですが、冷たい対応をされるわけでもなく、いたって穏やかにサービスしていただきました。
チョコを落としたくらいで冷や冷やされてもたまったもんじゃないですが、ニンニク臭かったのだけは心から謝りたいと思います。ふふ。


どうでもいい話ですが、この日、おぢさんがソムリエのコンテストみたいなんで準決勝まで行ったひとだというのを知りました。だからあんなに普段から偉そうだったんですね。「準決勝なんて本当にたいしたことないし、おれなんか無名の、ただチンチンが大根並みにでかいだけの、」とさらっと無茶を言うおぢさんと、炎天下の銀座を歩きました。東京は久々のからりと晴れ。ソムリエ資格試験に向けての勉強を見ていただき、その後、

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ご機嫌でバッティングセンターにて尻を振るおぢさん。


噂どおりお値段の張るお店です。味は前評価で創造していたよりはずいぶん良かったと思います。最高に旨い!は子羊のロティくらいでしたが。サービス料はランチで10%。ディナーはわかりません。水はガス抜きで頼むと、PANNAが出てきました。PANNAは840円。標準的なお値段設定だと思いますが、カルトはわりと他店より割高め。メインだと7800円〜9800円ほど。オードブルは3900円〜5500円ほど。グラスシャンパンは2300円。そんな感じです。




ベージュ東京
東京都中央区銀座3-5-3 シャネル銀座ビルディング10階
03-5159-5500
ランチ:11:30〜14:30 ディナー18:00〜21:30


posted by さくらこ at 23:20| 東京 ☀| Comment(1) | TrackBack(0) | Restaurant | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年06月28日

小笠原産の海亀のスープ「アピシウス」

カリカリのおぢさん再び。


目的のお店のある有楽町で待ち合わせ。
おぢさんはクソ暑いのにスーツで登場しました。
今日行く「アピシウス」はランチタイムでもドレスコード有りなので
着用しないとだめとのこと。普段の変なスニーカーじゃダメとのことですよ、
おぢさん。


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鴨のフォアグラのフラン トリュフの香る軽いクリームソース
5460円


ランチタイムだけど、食べたいものを食べようということで、
私はランチのコースがあまり好きではないのもあり、アラカルト注文。
前菜はフォアグラのフラン。うまーーーーーい。
重厚で、じっとりと味があとからあとから舌に染み出てくるような。


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小笠原産、海亀のコンソメスープ シェリー風味
3150円


これ目当てでこのお店に来たようなもの。
強めの海亀のダシ。ていねいな味。


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高級なお店に来るお客はサプライズを求めている、という
どこやらに書いてあった話をしている最中、
「この、スープのなかの、これ何?ふたつ入ってる・・コンニャク?」
と私が問い、
おぢさん無表情で、
「・・・こんなお店で出てくる海亀のスープの中のコレがコンニャクなら、
それはそれは脱帽するくらいすごいサプライズだよね?」
と完全に馬鹿にしきった顔であしらわれました。
すいません。
海亀の身でした。食感もコンニャクみたいです。
本当に馬鹿で申し訳ありませんでした。


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馬鹿話ついでに。
プティフルについてきたフィンガーボウルを見て、
いや、フィンガーボウルだとはわかるんだが、
指を洗うものだと予想はつくんだが
何故にレモン。
いままで、レモンの入ったフィンガーボウルを見たことがない私は、
一瞬だけ、もしかしてシルバーでプティフルを食らい、
次のチョコなどに前のがつかないよう、
シルバーを洗うものかもしれないぞ?だから酸性?汚れ落ちやすいよう?
とか馬鹿なことを考えてしまい、おぢさんに問うてしまった。
「・・・・・どうみても指を洗うだけだろ。なんでシルバーって発想が・・」
いや、レモンが入ってたので。
どうみてもただのフィンガーボウルですね、
大変な馬鹿で申し訳ありませんでした。


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真鯛のポワレ ハーブ入りチーズのギャレット添え 赤ワインソース
5460円


カリカリお魚グリエ大好きおぢさん。
おぢさん曰く、カリカリがちょっと足らないとのことでした。
赤ワインのこの古典的ソースは濃厚でめちゃめちゃ美味かったです。
このあとに出てくるヴィアンドのソースよりも重厚。記憶に残る味。
「しっかりカリカリならバールだねえ、スズキねスズキ」
どうにもカリカリ具合が足らない様子でした。
前々回行った、六本木の「ブーケ・ド・フランス」のグリエが
私と行ったなかではいちばん好みのカリカリっぷりだったそう。

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牛ランプステーキ グリーンペーパー風味
ゴルゴンゾーラのニョッキ添え


おぢさんの頼んだ、コースのやつ。
おぢさんはコースプラスアルファで、アラカルト注文しとりました。
よく食うね。
ちなみに焼きはブルー(レア)で、どこまでもまあまあの味。
ソースも印象に残りにくい・・・なんというか、ごく普通。
アラカルトだと美味いのに、ランチコースはどれも普通の味としか言いようが・・
どこも全店がそうとは言わないが、ランチのコースは
ことごとく期待ハズレというか、見習いの練習?と思うようなことが多々・・

食事自体、確かにカルトなら非常に美味しいのだけど、それでも海亀のスープとフォアグラのフラン以外は、さほど強烈に記憶に残りにくい。
「(旧シェフの)高橋さんのいたころは本当に美味しかった」
というおぢさんは15年ほど前に来たことがあるそう。味は最高といわれ、けども接待でホールが埋め尽くされていたころのアピシウスは一長一短で、いまのアピシウスの姿とはまるで違っていたらしい。この春、内装を新たにし美術館のようになったこのお店でのサービスは、私にとっては決して嫌なものではなかった。そして、日常のなにもかもを忘れ空間に没することが可能なあの特別な空間はとても貴重。

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エピス風味の果実のサラダ ルビーグレープフルーツのシャーベット添え
1600円


デセール前にプティフルが出てきて、
こういうのは普通カフェのあとだよね?みたいな話をしていたら、
やたらとデセールの出るのが遅い。間持たせのつもりだったのか。
プティフルをぼちぼちつついていると、ちょうどいい感じでデセール。
とにかくここ、出てくるペースがゆっくり。
普通、ちゃんとしたところはペースが遅いものなんだけど、
ここは異例なくらい遅かった。いや、ちょうどよかったと言うべきか。
ランチで3時間。ディナーのときは5時間かかったらしい。
落ち着いて食べられるので非常に嬉しい。

デセールは八角の味と香りが強めに出ていて、
「エキゾチックな味・・・」とおぢさんがボヤいてました。美味いです。
ランチのコースにはワゴンケーキサービスがあり、
わきわきしながらおぢさんはケーキをふたつ嬉しそうに食べておられました。
とてもしあわせそう。なによりです。
私もこのようなお食事を奢っていただき、なによりです。
どうもごちそうさまでした。



アピシウス
千代田区有楽町1−9−4
03−3214−1361
日曜定休
11時半〜15時
17時半〜23時半

男性はドレスコード有り。
ジャケット着用、ジーンズ、スニーカーは不可。
予約をしてから行くのをお勧めします。

posted by さくらこ at 00:11| 東京 🌁| Comment(0) | TrackBack(1) | Restaurant | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年04月23日

ブーダンノワール「Bouquet de France」

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テリーヌ仕立てのブーダンノワール(豚の血のソーセージ)
フォワグラ入り フランボワーズのピュレ添え



のっけから美味しそうである。
六本木・乃木坂の「ブーケ・ド・フランス」に来た。
おぢさんの誕生日である。
フレンチレストランに行くと言ってあるにもかかわらず、おぢさんはどこからどう見てもマフィアにしか見えない人相にオールバック、サングラス、黒のわけわかんない上着でやってきた。店に入れるのか心配したが、余裕でOKだった。マフィアにしか見えないけどおぢさんのお仕事はサービスのひとである。そんな理由もあって今回はフレンチを選んだ。


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山形三元豚のロース肉のポワレ にんにく風味

ランチのコースは3種あり、A、B、Cの3つから選べる。
コースによって出てくる量は変わるが、いちばん安いコースでもいろいろ選ぶことができるのでとてもお得。わたしはAの3500円コース、おぢさんはCの4500円コース。
アペリティフはシャンパン。
このお店は豚料理で有名で、でも肝心の画像はうつりが悪い。ブータンノワールはやや塩加減強めで私好み。真鯛のポワレはいちばん味がよかったとおぢさん談。うつりが悪すぎて真鯛のポワレの画像はなし。


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誕生日のお祝い用のデザートプレート。
マダムが歌を歌ってくださいました。
下の名前にちゃん付けで呼ばれる強面のおぢさん(43)。



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お待ちかねのチーズちゃん。
これが楽しみで楽しみで。
ワインに使ったブドウのかすを貼り付けて発酵させたチーズは、
クロタン シャベニオール シエブロマール
白いほうは、シャロレ
両方、ヤギさんのチーズです。
ワインに合わせたかったけど、昼間だし、で残念。

マダムは食べ物やワインがほんとうに大好きなんだろうなあ、と思わせる接客。「ガンダムが好きなひとがガンダムについて語っているのを彷彿とするね」とわたしが言うと、ああ、そういう感じだね、とおぢさん。食べ物や飲み物に興味がわき、きちんと自分が提供するもののことを完璧に答えることができる接客って、とても難しいことだと思います。しあわせな時間を過ごすことができました。
どうもありがとうございました。
また行きたいなあ。



ブーケ・ド・フランス
港区六本木7−8−19小林ビル2F
03-3497-1488
11:30〜(L.O.13:30)、18:00〜(L.O.21:30)
定休日 火曜 第3水曜休
要予約

posted by さくらこ at 02:15| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(2) | Restaurant | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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