
私のうさぎの靴下をみて、うさぎの目を指さしたり覆い隠そうとする次女と、自分の足にはうさぎがいないぞ?と不思議そうな顔をする3歳間際のうさこ。どちらも可愛い娘ですが、私にとてもよく似てしまった長女には、次女が生まれてからもその後もずっと「自分に似た部分のせいで苦労をしてしまうのではないか」とかそういう気持ちが先走りすぎて、次女には甘い(というより次女は自力でどうにでもこなしそうな性格なので心配がない)のに、長女には心配が過ぎて必要以上にガミガミ怒鳴り散らしてしまいます。そのせいか、ここのところ急に、手足の爪を噛む癖が出始めました。

大きなかばんを持って毎週通っていたプレクラス。せっかくできたお友達とも、このたびの引っ越しで離れることになりました。生まれついて勘が鋭く、精神面がとても繊細で傷つきやすい傾向にあるうさこ、引っ越しでやや不安定にもなりかけましたが、あえて引っ越しをするところを見せ、現場に同行させることで「このおうちではなく新しいおうちに行く」と認識させることにしました。車で一度通った道や車で行ったお店でもきっちり記憶をしているうさこに変なごまかしは通用しないので、「このおうちは今日でさようなら、こうやって荷物をまとめて移動して、新しいおうちに住むことにしたの。でも、古いおうちを見にくることはこれからもできるし、お友達ともまた会えるよ」と、なるべく岩国でのお友達とは、月に1度でも遊ばせに行っています。3歳ともなれば家や町の記憶もはっきりしており、突然環境が変わることはとても怖いことでしょうし、ずいぶん説明をしながらの引っ越しとなりました。

それでもやっぱり新しい家は、今までよりも広いのもあってトイレや玄関、子供部屋にはキッチンから目が届きません。トイレに行くのをとても怖がり始め、一時期は自分からトイレに行く、と自力でこなすところまで行ったのに、トイレに座ることさえ怖がってしてくれなくなりました。怒鳴ったり、「だったら遊びには行かないよ」などと言ったり、そんな理不尽なことをし続けても仕方がないので、誕生日を機にトイレトレを中断することにしました。半面、次女のほうがトイレに興味を示し始めたので、こちらは開始してみようかなと思っています。プライドをくすぐられて自分も、となることも期待しています。

上にも書きましたが、私はそういった理由から、うさこには次女とは比べものにならないくらい、厳しくしつけもしてしまったし、ダメ、とばかり言ってきました。とにかく自分のような人間になってしまうことが怖い。その結果、うさこは自主的になにかをしたがらない子になってしまったように思えます。おむつを脱ぐのも面倒でイヤ、服を着るのもイヤ、もちろんすでに出来ることもしたくない、ママがやって、ばかりですが、新しいことへの挑戦(シャツを自力で脱ぐなど)も一切、怖がってやらなくなりました。私が潔癖なほうで、手の汚れなどをすぐに洗わせたり、畳やシーツ、布団に食べ物を持ち込むことを嫌うため、長女も非常に潔癖な傾向が表れ始めました。プールでは泳げても、藻などのある海は「汚い」と言って泳ごうとしません。

うさこは感受性が強く、心根の優しい子です。世間的にはとても育てやすい部類の子のはずですが、私のような、人を傷つけても気が付かないような人間が育てるには、うさこ側が厳しい思いをすることが多い組み合わせの親子だな、と思います。3歳直前でアデノウイルスに感染をし、40度の高熱を出して明けたあたりからイヤイヤ期が始まりました。わざと親がダメと言ったことをし、時にはちっちゃな子(次女)をたたいたり、反対のことをしたり。幼稚園に入るまでにトイレトレを終わらせねば、と焦った結果、とてもプライドを傷つけ、自信をなくさせるようなことを言ってしまいました。

子供は物理的なことが大きくなってもできないこと、というのはほとんどないように思います。おむつもいつかは外れるし、服が着れない子も、ボタンが外せない子もいません。でも、子供の頃に受けた「自分はなにもできない」という自信喪失は、大人になっても引きずることになります。うさこという子は、想像力があり、人を傷つけることはいけないことだ、と生まれながらに理解をしているようなちょっと達者な性格の子でしたので、もう少し私はうさこに対しても自分に対しても、自信を持って育児をするべきじゃないかな、と感じました。あと半年うさこは私の手元にいます。あと半年トイレトレもやめて、赤ちゃんの頃にしてやれなかったことや要求に応える方向に、切り替えてみようかなと思っています。ちびこが赤ちゃんで甘やかしてもらえているのが羨ましかったから、今このような行動要求に出ているのかもしれません。年子のうさこには、ずいぶん無理をさせてしまったので。