誕生日あたりに大阪に帰省したのですが、
それよりすこしあとのこと。
偉そうな態度をしたうちの近所のラブラドールに似ているともっぱら評判の、
いつものおぢさん(43)とタテルヨシノに行きました。
4度目。

食前酒はなにになさいますか、と聞かれ、
シャンパンでスタート、私がジャン・ヴェッセルの白、おぢさんはロゼ。
プティアミューズの、チーズ風味のグジェールをぱくぱくしつつ、
なにを食べようかとメニューを広げますと、

花束をいただきました。おぢさんに。
いや・・・・・・なんというか、
プレゼントというと花束しか浮かばないらしい。
あまりなにも考えてないだけなんだろうが、非常に嬉しかった。
普段、パーティーやウェディングの仕事で見慣れているもので、
豪華絢爛できれいな花をたくさん見てきたが、
いや、これは嬉しい。人にもよるのだろうが。

「これほんとうにもらっていいの?」
と問うと、
「見せるだけとか言われたらいやだろ君も。
そういえば小学生のとき、誕生日にクラスの女子がプレゼント持ってきて
『見せるだけね』って言ってそのまま帰りやがったな・・・イラっとくるよね」
どうでもいいことを思い出して嫌そうな顔のおぢさん。
態度がでかくて偉そうで、傍若無人で背が高く
ヤ○ザも道をよけるこのおぢさんが花屋で花束を買ったのか。
すごすぎる。

感動のあまり説明が遅れたが、上のさらに上の画像、
左はわたしの大好きなタテルヨシノでおなじみのアミューズ。
かわはぎのマリネ。これほんと美味し

右はおぢさんのオードブル。
トーション仕立てのフォワグラとフォワグラのマリネ
フリュイセック添えで、上の画像は私のオードブル。
子牛の胸腺肉のテリーヌ ラングスティーヌ添えテリーヌ大好きだ。大好きすぎてテリーヌ写真集まで買ってしまったほど。
新メニューだーっと喜んで即決。
もー、めっちゃめちゃ美味。
ラングスティーヌ(手長エビ)も身がプリプリで引き締まっておいしすぎ。
「次はおれもラングスティーヌだからいいよ」
と言ったおぢさんの口にも放り込む。
だって旨かったら、旨さを共有したいじゃないか。
季節野菜のエチュベ 手長海老のクリスティアンと共に野菜が食べたいねえ、とほざくおぢさん、ごきげんでサラダをカルト注文。
出てきたのがこれ。野菜?野菜というか、立派に魚料理だ。
画像じゃわかりづらいが、新鮮で多種の野菜がてんこもり。
そのまわりと手長海老のすり身をパータブリックで包んで
クリスティアン(カリカリに仕上げること)したもの。
この手の込みよう。そして野菜旨すぎ。
手長海老は素材が良すぎたので、すり身よりさっきのプリプリのがいい、と私が言うと、
サラダなのに、それだと野菜が目立たないから、とおぢさん。
フレンチって、すごいなあとつくづく思う。

おぢさんのポワソン(魚料理)は、
本日の魚料理で注文をしたそうで、今日は的鯛。
で、ポワレ。ういきょうのクリームソース。うまそ。
さきほどのサラダ、如何ほどのお値段?と私がびんぼくさいことを問うと、
おぢさん、「5000円ほど」との答え。サラダが5000円。
いや、そういうことが言いたいのではなく、
以前行ったシャネルのレストラン「ベージュ」でも、
サラダがそのくらいのお値段だった気がした。
写真を見比べてみて、いや、好みは人それぞれというのは当たり前として、
同じ値段でなら、わたしはタテルヨシノの、この手の込みようが好みだ。
パセリをお付けして焼いた仔羊のロースト本日のわたくしめは、ダブルヴィアンド(肉料理を2回)


まずは仔羊。出た瞬間からその迫力に圧倒。
以前、アラカルトでダブルヴィアンドを頼んだとき、
サービスの方に「女性には少々多いかと」とおっしゃっていただいた際、
「いや余裕っす」
みたいな返答をし、軽くたいらげたせいか、もうポーションに容赦ない。
がっつり来ました。そしてやはり旨い。
ありがちな妙なクセとかないし、ほんといい素材。
やわらかくてジューシー、肉汁がぎゅっと濃厚。
鴨のロティ 蜂蜜とスパイス風味鴨のロティは以前こちらでいただいたのでいいや、と避けましたら、
おぢさんがご注文。で、以前とちゃんと違う。
カシスを添えて、同じ鴨でもまったくちがうアクセントと風味。
この日、オマール海老(1万2千円くらい・・)目当てで来たおぢさん、
オマールは、と聞くと、
「本日は夕方の仕入れでございます」との返答でがっくり。
しゅんとし、珍しく痩せの大食いのおぢさんが普通の量でお食事。
次はあるといいね。
金持ち憎い。わーん。
仔うさぎのトゥールト サリエットの香りアラカルトでたのんだ、わたしの2番目のヴィアンド。
仔ウサギのトゥールトというので
以前食べたブノワの同名のものを想像していたら
予想よりはるかに大きなポーションで出てきました。
しかも中身、内臓やらいろいろ、具が詰まりすぎ。
どっしりしっかりがっちり濃厚な内容と味。
いや。すいませんでしたと言いたい。
前回「余裕っす」とかナメたこと抜かして申し訳ありませんでした。
どう考えても私の完敗。頑張って完食。
(とても濃厚かつ充実した内容のトゥールトだったので、
味についてまた後日書き加えたいなあと思ってます、ここに。)

今日はブルゴーニュのみでいただきました。
シャンパンを早々と飲み干し、結構ほろ酔い気味でのお食事。
気分いーなあ。平日の昼間っから。
右はおぢさんのデセール。いちごづくし。
シェフの吉野さんがテーブルに来られて、挨拶してくださいました。
おぢさん大歓喜。
どーん。
どどーん。(嬉)おとなりのお席の方も偶然バースデーだったようで、
お店の方が歌をうたっておられたのですが、
その方がむちゃくちゃ歌がうまく、おぢさんかなり感心。
「いやね、彼女も実は誕生日でして・・よろしければ歌ってくださいます?」おぢさん・・・
予約のとき、わたしの誕生日とか言わなかったんだな・・・
普通言うだろ・・・さてはオマール海老目当てだったんだな・・
で、出てきたわたしのデセールには飾りつけ。
お皿の下のほうにわしの名前。(なのでカット(笑))
このデセール、ごぼうのムースなんですわ。
味がしっかりごぼう。なのに、旨いんだ。なんで?
ごぼうのスライスを揚げたものも入ってるのに、
でも旨いんだ。
お店の方々が歌ってくださり、お祝いしていただく。
やっぱり歌ってらっしゃる方の歌が非常にうまい。
もう、照れて顔があげられないわし。
それもお店の方につっこまれる。
いまブログを書いてる時点で、一人称が「わし」になってるってことで
どれだけいまだに照れているかを察していただけると幸い。
ほんとみなさま、おぢさん、ありがとうございました。
その後、オイルマッサージを施術していただきにゆき、
のんびりと過ごす平日の夜。
とてもとても幸せなバースデーでした。
ありがとうございました。
これで迎えるのが31歳じゃなきゃ言うことないんだがなあ。