大人のおともだち(※注1)である、ワイン教室をやっているおぢさんと、
教室の関連で銀座に出ることになった。
昼間のマロニエ通り。カフェを探す。
「パティスリー・レカンに行こうか、」
と切り出したおぢさん、
マロニエ通りからすぐそばにあるはずのお店へ向かうが、現地にお店はない。
2004年末に閉店したことを知り、おぢさん大ショック。
「そんなに長い間、おれは銀座から消えてたんだなあ」
大丈夫、私なんか一瞬たりとも銀座に関われたことのない人生だし。
(※注1 大人のおともだち)大きなお友達、大人のおもちゃから発想、勝手に造語。
セフレ、元カレカノとの現在の友人関係、犬とご主人様、などなど
さまざまな意味をこめて使えるが、この場合は「金持ちと下僕」


仕事だもんで今日は珍しく一張羅の18万(笑)のコートを羽織り、
客引きもチラシ配りさえも寄せ付けない、そのスジの人オーラを発揮しつつ
おぢさん、銀座→新丸ビル→青山の順で移動。
夕刻、晩ごはんはどうしよう、とようやくメシ話になり、
ヒルトンの「21」やら池袋の「ラボンダンス」が定休日と知り、
さんざん思案したあと、青山の「ブノワ」に決定。
「ブノワ」は、シャネルにある
「ベージュ東京」と同じく、
パリのマレ地区にあるミシュランで星をとったお店の日本支店。
ただこちらは「ベージュ」とは違い、ビストロなわけですよ。
貧乏服のわたしにもやさしい。

ビストロだと聞いてお店に入るとおどろく、とても綺麗な内装。
広い広い一軒家のような造りで、写真でみた内装よりはるかに良い。
内装だけでずいぶん気にいってしまった。加えて夜景の見事さ。



パンよりも先に出てきたこれは、プルミエアミューズ(?)、
板やポッキーのような形のスキャッチャに、
ヤギのチーズのディップとタップナードをつけて食べる。
このタップナード、素晴らしく旨い。イタリアンのようなアミューズ。
去年まではくるみのペーストの1種だけだったみたいです。
こちらはドゥジェームアミューズ(という言い方でいいのかどうか)。
この日はふたりとも、9000円のコースにプラスアラカルトだったのですが、
この2番目のアミューズは、コースによってはないものもあるそう。
で、これ。なんとかのロワイヤル。なんとか、が思い出せない。
色からしてキノコ?いや、そういうものじゃなかった気がする。
(思い出したら、後日書き換えておきまーす・・すいません)

コースにすると、
結構な数からいくつか種類を選べる。
これは私の前菜。青首鴨のドディーヌ、ジュレ添え。
フォアグラを、青首鴨でぐるりと巻き込んだもの。
つめたくておいしい。フォアグラ、濃厚。舌で薄甘くとろける。

前菜とポワソンのあいだに、アラカルトで頼んだ
スペシャリテのフォアグラを入れていただく。これはお店におまかせ。
ワインは白で、それぞれブルゴーニュとボルドー。
シャトーグランメーヌとモンテリー。


おぢさんのオードブル、
ズワイガニのアスピック仕立てとアサリのクリームスープ、ラルドン風味。
右もおぢさんのポワソン。
ヒラメのダルヌ 旬野菜のエチュベ レモン風味のジュ。
カメラ慣れしてしまったのか、食べ物が運ばれても「待て」のポーズ。
ちょこんとした手がかわいい・・

オマール海老のココット ニューバーグ風 フヌイユの煮込み
これはコースに金額プラスαすると加えることのできるメニューで、
この日はどーしてもオマールの気分だったので頼んだのですが、
私が撮影を終えるとオマールのカラをフォークでぱこんとはずし、
じっと料理を見つめたおぢさん、
「うーん、恨まれちゃうねえ」
と言って、ぱくーん、ぱくーんとでっかいオマールの身を2切れ食べた。
・・・。
わたしのオマール海老は?ちいさい残りのオマールを食べるわし。
「うーん、想像してたのとちょっと違うねえ?旨いけど。」
のたまうおぢさん。
泣ける。

ラカン産ピジョンのア・ラ・ブロッシュ 蕪とベトラーブ グラッセ・ヴィネグレ
鳩肉、さほど好きではないのにあれば毎回頼んでしまう。
そして今回も私は鳩肉でいってしまった。
前回たべたときより独特の鳩肉の甘みが少なく、食べやすかった。
が、やはり大好きかといわれるとそんなことはない。
ワインは赤を注文。
それぞれ、コートデュローヌとラングドック。
ラングドックが、特徴的な鳩の肉に合うこと合うこと。
ラングドックの強い苦味が苦手だったのだが、
鳩肉と合わせると、とたんにやわらかく苦味が失せる。
これには感動。合わせると、まるで味が変わる。
互いの欠点を補い、旨みを前面に押し出す。
普段しっぽフリフリさせてるおぢさんは、やはり本職のひとなのだと痛感。
ばかにしたよーなことをさんざんブログに書いてすみませんでした。

ウサギのトゥルト、アンディーブのロティ ソース・シヴェ
「仔ウサギ、ではないねえ、仔では。この味は」
人のオマールを食いつくし、ゴキゲンなおぢさんのヴィアンドはウサギ。
お値段おさえめでサービス料も取らず、それでいてこのレベルの味。
ビストロでもサービスはかなり安定しており、料理は手間のかかった上等なもの。
「素晴らしいね、このお店は!」
久々に手放しで褒めるおぢさん。
わたしも、個人的にですが、以前行った、お値段もプライドも高そうな
シャネルに入っている「ベージュ」より、はるかに好みのお店でした。
すべての面において。同じ系列なのに。


苺のタルト キルシュ風味のサバイヨン グラスフレーズ・フロマージュブラン
右はル・ブノワ ショコラ・オレンジ
「ル・ブノワ」はオレンジのアイスと一緒に口に入れてみてほしい。
ぜったいに一緒に食べてみて、というおぢさんの言葉に従って口にしたのだが、
もう、絶品。別々に食べるよりはるかに美味。素晴らしいよ、これ。

階下に喫煙にいきたい、とメインまでを食べ終わったおぢさんが問うと、
サービスの方が、どうせなら、階下のカフェでデザートを、と、
デザート以降をカフェのほうに移動してとらせてくださった。
「タテルヨシノ」でもデザート以降はテラス席に移動して、
喫煙も兼ねさせてくださるのだが、それと同じ配慮。
帰りには菓子を持たせてくださったのだが、
帰ってから食べたこのマドレーヌが、また異常な旨さ。
いままでたべたマドレーヌで文句なしにイチバンです。すみませんでした。
帰ってからも旨いブノワ、また是非行きたいお店です。