2007年10月31日

蛙と鶏冠と豚の脳みそ「タテルヨシノ」

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10日と日を置かず「タテルヨシノ」ふたたび。
私もおぢさんも、どーーーしても気になる食べ物があったので。
チーズの風味の強いグジェール、アペリティフは白と、おぢさんはシャンパンで。

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アミューズは山羊乳のブランマンジェ
ビーツの薄切りをシブレットに通してあります。
シブレットを、この長いまんま食べるのだけが「???」て感じ。
まあ飾りだから食べなくてもいいし食べても長いからってマズくなはいですが。
そして相変わらず女性用にはお値段の書いていないメニュー表。

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ふたつめのアミューズはカワハギのマリネ
ちいさなくしゅくしゅのポテトのスフレの上にのせて。
実質プチチーズもあわせて、アミューズ3段階で嬉しさ3倍。
カワハギのマリネは、いままでのアミューズのなかでいちばんかも。
噛むと、ほんのり塩の風味にカワハギのうまみがじわっとあふれ。


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パテ・アン・クルート ステラマリス

おぢさんのオードブル。でかい。とにかくぶ厚い。
どどーんとしたサイズで、さすがの痩せの大食漢のおぢさんも苦笑。
パイの中身は、上から、白レバー、フォアグラ、鴨のパテ。
いちばん上はジュレで、これはパテ・アン・クルートで焼いたあと、
出来た隙間にコンソメのジュレを流し込むんだそう。
上にかかっているのはトリュフ。
いろいろ詰まっているおかげでさっぱりと濃厚を行き来し、重くない。
ご機嫌でスタートしたおぢさんは今日もオールアラカルト。
食います。


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オマール海老のブータンとグルヌイユのムニエル

泡のようにとけるオマールのブータン。ムースの口どけ。
前者の、おぢさんオードブルの迫力にかき消されて、
どうにも地味なイメージがしそうだが、きめこまかく強いオマールのうまみが
じわーっとムースのとろけから染み出す。

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グルヌイユはカエルのことで、後ろに見えるミニチキンのようなものが、
カエルのムニエル。味は・・・濃い目で強めの鶏肉。


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でました。おぢさんのポワソン(魚料理)は、今回はアワビ。
グリエしたアワビを、サービスの方が目の前で切ってくれる。
なんでか、それをじっと見てるまわりのサービススタッフ。なんで?
ここのアワビは、お値段が比較的他店より安め(?)らしく、
おぢさんがずいぶん不思議がっておりました。
100gで2200円ほど。
400gでも1万いかないし、普通は結構いいアワビなら15000円くらいは
いくだろうに、どうしてかなあ?みたいな金持ち発言をしていたおぢさん。
金持ち憎い。

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オホーツク産 活あわびのグリエ(450g) ソースレフォール

これは・・
もう。素晴らしいとしか言いようがない。
本日だんとつに旨かった。舌にしみこむ鮑の美味・・・
肝をぬりつつ鮑を食べるおぢさんは美味すぎて無言。


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テッド・ドゥ・コション ソーストルティユ

本日わたしはWヴィアンド(肉料理)でいくことにしましたです。
魚ナシの肉2回。
テッド・ドゥ・コション、これ食べてみたかったのよ。
豚の頭皮(焼き鳥でいうカシラの部分)、豚の脳みそ、鶏の鶏冠(とさか)、
豚の舌をじっくりゆっくり煮込んでトロリとやわらかくしたもの。

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中央が豚の脳みそ。左は豚の頭皮。
きめこまかくて強烈な濃厚さ。コラーゲンたっぷりなんだそうだが、
そう、まさにコラーゲンの味。舌に強く残る濃厚さにやられる。

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鶏の鶏冠(とさか)。
意外にやわらか。かみごこちはそんなに強くなく、
これも「コラーゲンの濃厚な味」が強くて鶏冠そのものの味がわかりづらい。
気持ち的にやや抵抗はあるものの、味は悪くない。

これは、旨いとかまずいとか考える以前で、
不思議な食べ物を恐る恐る食べるのみに頭が先行し、
なにも考えることができなかった気がする。とにかく濃厚。


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ヴィアンド前に赤。
わたしはすでにヴィアンドに入ってたんですが、
濃厚さにやられて、普段ほとんど飲まない赤がほしくなり。



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国産牛フィレ肉のポワレ ボルドレーズ

おぢさんのヴィアンド。
お、おぢさんにしては珍しく地味にいったなあと思ったら9000円ほどらしい。
値段も見ずに注文する金持ちが憎い。
フィレの上にのっているのはモアル。骨髄。


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野鹿のロッシーニ風(ハーフサイズ)

これは、私が、コースにプラスしてアラカルトでオーダーしました。
どうしても食べたかった一品。食べ切れそうにないのでハーフ。
とがって反れているのは薄いチョコレート。鹿の角をイメージだそう。
上にのったトリュフがコリコリで美味しい。
蝦夷鹿は以前にも、知床に行った際、仲のよかったおやっさんのいる居酒屋で
出していただいたときに刺身として食べたきり。
さて、二度目の蝦夷鹿は。

カエルとかワニって普通に鶏肉と同じ味で、あっさり。
抵抗がないことが多いのは意外にそういったゲテ系で、
それに対して、鹿肉はアクが強めでいままで食べたことのある肉とは
まるで違う味でした。とにかく、野性味の強い味。舌に濃厚に残る違和感。
違和感といっても、マズイとかニガイとかそういうのではなく、
「いままで食べたことのない味だ!」という違和感です。
うーん。じーっくり味わいながら食べちゃいました。
おいしいけど不思議な味。
知床で食べたのはあっさりと淡白な味だったけど、これは濃厚。
獲れた時期の違いかな。ジビエ最高。


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アヴァンデセール。
わがままおぢさんの食後の喫煙のため、今回もテラスに移動。


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上がおぢさんのデセール。
下がわたしのデセール。ラム酒の香りのするババ
ささってるのはバニラの葉。バニラのいい香り。
ババはババロアのことですね。

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プティフル。
サービスの方が、気を使ってくださってマカロンがふたつに。
ほんとうに嬉しいです。バラのマカロンとピスタチオのマカロン。
今回もとってもおいしくて、とっても幸せなサービスでした。
ホワーっとした気持ちになれて嬉しい。ストレス抜けるなー。

なんでいつもランチなのにランチの値段じゃないのか、
と突っ込み入りまくりのおぢさんのランチですが、
今回はグラス2杯ずつでフロマージュなし、5万ほど。
オールアラカルトで頼んでるせいでランチで行く意味の全くないおぢさんは
いそいそと夕方から勤務先に向かいました。昼間遊んでていいのか。
金持ち憎い。


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お花屋さんのハロウィンのかわいい飾りつけも今日で最後。
さびしい気も。これからは赤と緑のパレードかな。

もう、11月。おぢさんと会ってから1年がたつ。

 
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2007年10月25日

晩秋と『わ』

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こんな空。晩秋。
秋も深まってまいりました。
そろそろ朝起きが辛い季節。
よっちゃんと仕事帰りに『わ』に行きました。


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特選地鶏。
右から、鶏レバ、もも、砂肝。(だっけ?)
盛り合わせは嬉しい。いろいろ部位が食べられて。

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脂つきWホルモン。
いつもながらめちゃめちゃうまい。
この日は、山崎12年なんかも珍しく飲んだりして、泥酔して帰宅。

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ノートパソコンがこの1年ずっと調子が悪くて
でもずっと頑張ってくれてて、
「今日の昼に新しいパソコン届くよ」って
さっき連れから教えてもらって、そしたら立ち上がらなくなった。
もうウンともスンともいわない。
新しい子が来るまで頑張ってくれてたんだね。
データを完全に保存するまで頑張ってくれてたんだね。
今までずっとありがとう。
長い間、おつかれさまでした。

お疲れ様メビウスくんの上にのっているのが使っているデジカメ。
デカさを見てもわかるとおり、もう相当古い型で。
近写にも弱く、フラッシュを使うともなるとかなり時間がかかる。
まだまだ使えるので、去年一度壊れたメビウスくん同様、
捨てられないでいます。
マシン系はなんだか、生き物と似たような感じがして、
どうにも、粗末にするのが可哀想な気がするのは私だけだろうか。

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2007年10月23日

キジのブイヨン仕立て「タテルヨシノ」

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「吉野さんの料理が食べたいねえ?」
とほざくおぢさんと「タテルヨシノ 芝パークホテル店」に来ました。
最近は週1ペースのフレンチ。
秋はジビエのシーズン、
鹿、うさぎ、キジ、いろいろ楽しみな季節です。
今日のワインはリースリング、いつものドイツのではなくフランスです。
あ、そうそう、
ここも「アピシウス」と一緒で、女性に手渡されるメニューには値段がありません。
男性のほうのみ、値段表示。
もし男がヒモだった場合、どないすんのやろか?

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上左は、おぢさんのアミューズ、上右はわたしのアミューズです。
おぢさんはこの日、オールアラカルト(単品のみ)注文、
わたしはランチコースの5250円のほうにしました。
おぢさんに出していただく手前、遠慮をしました。
ランチコースは2500円、5250円、7000円の3種。
下の栗のクリームスープは、オールアラカルトのおぢさんについてきてた、
ふたつめのアミューズ。アラカルトだとアミューズの数も違う。

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キジのブイヨン仕立て 腿肉のキャベツ包みとクネル
5460円


この一品だけで既にわたしのランチコースの値段を越している、
そんなおぢさんのオードブルはこの時期でもあまり見ない、キジ。
上のトリュフがとても香ります。

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「この品はふた皿でひとつのおさらですから♪」
とおさらにキジのスープを注ぎつつ、
わざわざふた皿で撮りやすく置いてくださるサービスの方。
ありがたいです。

さて、はじめてのキジは、鶏のささみそっくりの味でした。
つまらない感想で申し訳ありませんがそうとしか例えようがありません。

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喜界島の仔ヤギのカルパッチョ 4090円

ヤギのカルパッチョですよ?
ヤギは痛みやすいとかで、あまり生では普通は出さないそうで、
ここのお店は、吉野シェフの故郷の喜界島にある、
ヤギ農場から直接仕入れているとかで、そのため、生で出せるそう。

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ドアップは携帯で。おかげで色合いが悪いですが・・・
端にあるのは皮のあたり。コリコリとした食感は「ミミガー」そっくり。
肉の食感も、コリコリとしてややかため。
いままでにない歯ざわりと味。いや、うまいです。めちゃめちゃ。


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天然スズキのポワレ 甘酸っぱいブドウ果汁とともに
6090円


おぢさんのポワソン。魚料理。
相変わらずカリカリ好きなおぢさんは、ものすごい上機嫌でたいらげる。
スズキの身が、ばっつんばっつんで弾力があり、
素材だけでも非常に旨い。素材の存在感が凄い。
さてこの画像だけなんか写し方がちがうわけだが、
これはこのときのサービスの方が撮ってくださった。
「タテルヨシノ」におられた、黒服のサービスのおふたかた、
非常にきめこまかく、行き届いたサービスをしてくださるうえに、
ちょこちょことおふざけをして楽しませてくださった。
途中あたりから、おぢさんがサービスのひとりをやたらと気にし始めて、
「いや、あれは凄いよ。おれ、あんなサービスマン、久々に見た。」
なんて、いままで一度も言ったことのないようなことを言い始めた。
おぢさんがサービスマンにたいしてそこまで言ったのは初めてで、
帰り道も、ずっとそんなことを言ってて、
よっぽど気に入ったのかなと思ったら、数日後、また行くと言い出し。
それはまた後日の日記にて。


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アンコウのポワレ ギリシャ風野菜とともに

こちらはわたしのコースのポワソン。
前に出たスズキのバッツンバッツンぶりに、
あんこうの弾力が完全に負けていました。タテルヨシノのスズキすごい。


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仔羊のロースト クルミのペルシヤード風
マルシェからの野菜添え  6825円


おぢさん御用達、いつもの仔羊。
これは・・・仔羊のブーランジェ風なのかな?
食べてないのでちょっとわからないです。


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鴨肉のロティ

ソースカナールかな?これもちょっと忘れてしまったけど、
(と思ったらエピス風味でした。記憶の劣化が激しすぎる今日この頃30代)
クセの強めの鴨肉も、やわらかく胃にすべりこむ。
「これは・・絶対旨いよ・・」
とため息をつきつつ、おぢさんが私の皿からふた切れ横取りしてご満悦でした。
身はやわらかく、とてもとてもおいしくて幸せな鴨の味でした。


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さてフロマージュタイム。
ここは、ヴィアンド(肉料理)が終わると、
台車でフロマージュを運んで、注文の有無をききにこられます。
もちろん、フロマージュもたべるぞ!と。ふたりで、4切れ。
ちなみにひときれ1000円でした。
あとで知る。
ここのフロマージュは、うわさどおり、すごく状態がいいですよー。

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わたしはシェーブル(ヤギ乳)と羊乳のチーズ。
おぢさんはウォッシュと白カビを食らっておりました。
ひと段落つき、喫煙で席をはずしたおぢさんと入れ替わりに、
サービスの方がふっと来られて、
「お客様、サービスの仕事の方ですよね?」
と。
なんでわかったんだろう、と、(いや、わかるだろ)
「わかりますか?」
と聞き返したら、
「いや、わかりますよ、」と笑顔で答えられた。
それもそうか。
意識してなかったけど、どうもわたしはカトラリーのゆがみが許せないらしく、
あちこちでちょこちょことまっすぐに直すらしい。

「ご一緒の男性は、シェフですよね?」
と、続けて笑顔でおっしゃるサービスの方に、
もう笑いが止まらないわし。
確かにこの日のおぢさんは、いつものような黒スーツでもないし、
髪の毛もオールバックじゃなくふわふわ地毛の茶髪だったけど、

帰ってきたおぢさんにそれを伝えると大爆笑。
ヒーヒーとのたうつ。
別にシェフっていう職業がどうこうじゃなく、
こぎれいな、サービスには見えなかったっていうのが、もぉ。
普段はびしーっとしてんのに。


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アラカルトのおぢさんにはアヴァンデセールが。
デセール(デザート)の前にプチデザート。
フレンチでがっつりコースにすると、ヴィアンド(肉)のあとの流れが、
フロマージュ→アヴァンデセール→デセール→カフェ→プティフル
なんてことになって、怒涛のデザート責めになったりすることも。
甘いのがさほど好きではないので結構な地獄絵図だ。
外国人が歳をとるとやたらと樽体型になりやすいのも頷ける内容。
(ちなみに「プティフル」はカフェとともに食べるプチ菓子)
おぢさんのアヴァンデセール(デザート前のデザート)は
「エピス風味のシャーベット」でした。


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さて、デセール。
上はモンブラン。
これは、もう、強くお酒をきかせたモンブランで、
そこらにあるモンブランとはぜんぜん別物。別格。
むっちゃくちゃおいしいけど、がっつりコースのあとだと重い。
下はわたしの頼んだクイニーアマン。
こんな形のクイニーアマンもあるのね。
とってもおいしくて、底はカリカリのキャラメリゼなんだけど、
これも、重たいコースのあとだと、完食に苦しみました。


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珈琲とプティフルは、ガーデン(?)で。
喫煙できるから・・・・・

わたしかわいそう。

右下のチョコをつまみながら、
「これは・・・絶対にうまいよ・・・」(2度目)
と半分食べて旨さにじーんとしているおぢさん。
「旨いからおれが食う」
と、残りはんぶんをパクンとするところを必死で阻止。
激しい攻防戦のすえ、チョコの残り半分を奪い取りました。勝利。

プティフルとアミューズが、お得感いっぱいでいままで「アピシウス」が
だいすきだったんですが、同じようなアミューズにプティフル。
おまけにサービスは最高に心地いいし味も最高。
「タテルヨシノ 芝店」は、わたしのなかでは、
「アピシウス」とほど同点の、「いちばん」好きなレストランになりました。
サービスの方、その節は本当にありがとうございました。


ちなみに今回、お値段をいうととても周囲に
ランチなのに?とずいぶん不思議がられましたが、
お値段は上に書いたとおりです。しめて4万円也。
わたしはともかく、連れがランチであろうとディナーであろうと
まったくおかまいなしのアラカルト注文なせいだと思います。
普通に行けば、ひとり3500円のコースにグラスシャンパンで、
サービス料やら諸々で、せいぜい5000円超えくらいかと。
ランチでは特に、手軽に濃厚なひとときが楽しめます。




港区芝公園1−5−10 芝パークホテル別館 1F
03-5405-7800
11:30〜14:00(L.O) 18:00〜21:00(L.O)
無休(但し日曜はランチのみ)

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2007年10月22日

秋川旅行記

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毎年恒例の家人よっちゃんと行く秋旅行、今年は近場で。
ということでつげ義春を気取って秋川渓谷へ。
まだまだ紅葉は見られず、葉は緑の渓谷へ車を走らせました。


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秋川駅にて昼食。
秋川といえば、ラーメンの有名どころが2軒。
昨年の春に訪れた「太公望」(写真下)と、
前回振られた「池谷精肉店」へ向かいました。
「池谷精肉店」は超有名行列店。つけめんのお店です。
ごんぶとな麺が出てきました。麺が太すぎてスープの味がかき消えてました。
一方「太公望」は行列店ではないものの、じっくり濃厚なアゴダシスープ。
強烈な魚介スープが香ります。両方美味いですが、個人的には「太公望」が好き。


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秋川渓谷の近くに新しくできた「瀬音の湯」にきました。
そこにあったつり橋。
こういう、吊ってもいない、柱もない橋を渡れる人は
たぶん震度10くらいの地震が起こっても寝ていられると思うんですよ。
橋に足がないんですよ?かといって吊られてるわけでもない。
なんで怖くないんでしょうか。
「瀬音の湯」は綺麗で温泉は眺めがよく、
エステやらマッサージやらさんざん堪能したあと、散歩へ。


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はなびらのぶ厚いコスモス、香る金木犀。

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ゆったりと坂道をのぼると、とても好みの喫茶店をみつけました。
いま流行りの、古民家を使った喫茶店「むべ」。都内にも多いです。


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庭には花梨が実をつけており、
なにかの朱色やむらさきの実が庭を彩ります。
ねこがお出迎え。

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離れが喫茶店になっており、庭でもお茶ができます。
天気がよいので庭で抹茶。連れはコーヒーを頼みました。
もうすこし秋が深まると、紅葉が庭を彩るのでしょう。


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秋川渓谷から拭沢の滝に向かいます。
途中にあった骨董品屋さんに、古い郵便自転車(昭和54年)と奥にホンダのモトコンポ
よっちゃんがモトコンポで爆笑しておりました。年齢がバレるぞと。
拭沢の滝は、つげ義春の「貧困旅行記」にも出てましたが、
途中の渓流の水色が恐ろしく綺麗。写真では再現しきれないのが残念。

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到着したときは先客はひとりで、
滝壷の近くまであがり、じっと滝をながめていました。
滝のずっとうえは茂みになっていて、深い深い森のよう。
滝は本当はとても長いのだそうですが、段差や茂みで見えません。
滝のうえをずっと、くびをあげて見ていると、
ぎゅうんと森の暗さに吸い込まれていきそうになりました。

いつの間にか滝の観光客は増えて、じっと見ている私は邪魔で、
多くの観光客と入れ替わりに渓流をまた下りました。
ふもとの賑わいから滝まではわずか徒歩5分ほどで、
帰り道はさらに短く3分ほどでお店のならぶあたりにつき、
滝の音と水のさらさら流れる音だけが響く森から、
あっというまに現実に引き戻されたようで、
それはまるで、東京都なのに東京都ではないような秋川渓谷から
車でさあっと三鷹に戻ったときの、その感覚ととても似ていました。
近くにあって森のなかで湿り気のあるやわらかな土を踏める、
そんな秋川の山奥はときどき来るには手近に幸せが味わえてよいかもしれません。
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2007年10月20日

ようやく訪問「たるたるホルモン」


前回の日記のフレンチより少しまえから微熱が続き、
なにごとかと思ったら虫歯がすごいことになってました。
歯医者に、虫歯じゃないと言われて痛みをこらえていたら、
実はやっぱり虫歯というオチ。虫歯がすすみすぎて熱まで出てました。
医者は何軒かいかないと、結果をまるまる信用しちゃだめだな。
って、医者の診断を信用しなかったら、なにを信用すればいいんだ?

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吉祥寺駅前では冬恒例のイルミネーション・・の飾りつけ。
飾りつけをしてるところ、初めて見た。

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『わ』の支店が『わ』のすぐそばにできました。
「たるたるホルモン」のご主人は元ボクサーだそう。
すごくおだやかでやさしそうな方でした。
メニューはほぼ『わ』とかぶっており、焼酎の種類はすこし違う。
『わ』が混雑していてもこちらにまわってくれば、
あのおいしいお肉たちを同じ味で食べることができます。
『わ』になかったトントロ(上の画像)をまずは注文。

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ホルモンどんぶり?だっけ?
二種のタレで食べられます。これめっちゃおいしい。
『わ』にはないメニューだよね。これもALL500円。

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メニューがほぼ『わ』と同じで、味も値段も同じ、
比較的こちらのほうがすいているので入りやすい。
こちらは鶏をメインメニューにおいていて(上の画像の下側)
これがまた、めっちゃめちゃ美味いです。
『わ』ではハラミを2〜3皿頼んじゃいますけど、
こちらでは鶏肉を2皿頼みました。もう、是非。絶対、コレ。
『わ』にも同じメニューがあるんですが、あちらでは、
「カリッカリに焼いてください!」
といわれました。皮カリなのが最高なのだそう。
こちらでは、
「表面がカリっと焼ければ、中は半生がベスト」
でした。外カリ半生、のほうが好みかも。

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わけぎのキムチ漬け。
あと白金豚パンチェッタ。いつもの。
あ、わけぎは初だ。ニラ?のような。
久々に焼肉でおなかいっぱい食べました。

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2007年10月10日

鳩のロティ「ヌーヴェル・エール」

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レストランのバターが好きです。
小細工がしてあって、とてもおいしいバターが。
今回のレストランで出たバターには、岩塩が振られたものと、
なにもついていないバターとが出ました。
バターにちょっと細工があると、それだけでなんだか嬉しくなります。

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オードブルはフォアグラのポワレ、バルサミコソース。
ガロニは食用ほおずき。

この日は、新丸ビルのなかにある「ヌーヴェル・エール」という
フレンチレストランに行ってみました。
最初は「アピシウス」に行く予定だったのですが、

私が、
「着ていく服がない」
とメールで送ったところ、
おぢさんから、
「はいていく靴がない」
というメールが来たせいです。

仕事のしすぎで当日の朝になって靴の底が抜けたおぢさんと、
休みがなくて寒くなったのに衣替えもできていない私は、
当然ランチでもドレスコード有りのアピシウスに行くことができず、
靴を購入していると時間が遅くなってしまうため、
予約を入れていないので満員でお店に入れなくなってしまうであろう、
ということで、靴を買ってから「ヌーヴェル・エール」に行くことにしました。


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赤座海老のパータブリック包み揚げ、
トマトのクーリとヴァンブランソース。

ランチコースは数種のなかから選ぶことができ、
3000円と5000円の2コースがあります。
この日は、ふたり揃って5000円のコースに、
アラカルトから一品ずつヴィアンドを選びました。
つまり・・
オードブル、ポワソン(魚)、ヴィアンド(肉)2品、デセール。
もう、メニュー全体がかなり重たいことに・・
私が鳩をどうしても食べてみたかったのと、
おぢさんがランチコースのほうでない子羊が食べたかったせい。
ランチコースのほうにも子羊があったのですが、
そちらの調理法が嫌だったそう。わがままめ。(おまえもだ)


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ハタのポワレ。


サービスの方はとても年齢層が若く、
新丸ビルにありがちなレストラン風景でしたが、
しっかりしている人はとてもしっかりした説明ができ、
また、逆にできていない人は、説明ができないのか知らないのか、
肝心な説明をまったくせずに立ち去ったり、
口のなかでモゴモゴ言って明らかにごまかしに入っていたりで・・
人によってサービスの良し悪しがくっきり分かれるお店だなと思いました。


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子羊のラグー。
じっくり煮込まれて肉がほろほろと崩れ、やわらかく美味しかったです。


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ブフ・ド・ブルギニヨン。
牛をブルゴーニュ赤ワインで煮込んだもの。


この日、黒のスーツにグレイのワイシャツ、オールバックのおぢさんは、
有楽町で待ち合わせをした際、明らかにそのスジの人でさえもよけるほど、
どこからどうみてもヤの人にしか見えず、
そのくせ「革靴の底が抜けちゃってさあ」と予告したとおり、
靴だけなぜか変な布のシューズ。傘はビニール傘。
取り合わせがむちゃくちゃなのに、
「みんなおぢさんの靴見てたでしょ、変だし」
と聞くと、顔と格好が怖いのでみんな上半身しか見ず、
幸い誰も靴に気がつかなかったそう。
とはいえ、レストランにこんな格好のおぢさんは浮きまくりで、
一緒にいる私はどう見てもキャバ嬢みたいだしで、
途中、わたしがお手洗いで席をはずしたすきに、
サービスの方がちょくちょく来ては、いろいろ聞いていったそうです・・
おぢさんがひとりだったので暇をもてあまさないための配慮かもですが。

キャバ嬢と思われた私かわいそう。


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子羊の背肉のロティ。


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フランス産、鳩の3種の肉を使ったロティと、
腿肉のじゃがいものアルメット巻き揚げ、ジベソースと。

食べてみたかった鳩は、
足の部分を見てあまりにグロテスクだったのと、
(今思うとそうでもないが)
具合が悪かったのにダブルヴィアンド(肉料理ふたつ)にしてしまったのとで、
途中、食べられなくなり・・・・本当に、レストランに申し訳ないです。
足の部分はとても甘く、胸肉は、鴨にちょっと似てました。
クセは少しあるものの、美味しいです。ただ、わざわざ選ぶことはもうないかな。

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おぢさんがやたら気に入っていた酸素のたくさん入ったミネラルウォーター。
ほかのミネは残しても、これだけは、
「これは飲む」
とわざわざ言いながら飲み干してました。


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デセールにまでなると、ほぼ記憶がない。
具合の悪さ、ピーク。

サービスの方が、おぢさんに、
ちょいちょいといろいろ聞いてきた際、
私の職業も聞いてこられたそうなのですが、
「あの子はどっかの金持ちのお嬢さんらしいですよ、
俺からしたら牛丼のほうが好きなんですけどねえ?」
みたいな返答をふざけてしたおかげで、

お会計の際、明細がなぜか私のそばに。
普通、男側におくよな。ヒモに思われたんだろうなあ。
おぢさん大爆笑。



泣こう。
 
 

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2007年10月03日

大阪紀行2007秋 その4〜くじらのさえずり「ひで」


帰りの便の時間まで、心斎橋に出て飲むことにした。
大阪の友人らとの都合が合わず、ひとり飲み。
心斎橋の「和洋酒菜 ひで」は、吉祥寺『わ』の店主のご兄弟のお店。

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カウンターに置かれた素材の数々。
手前のカゴは料理にそえる野菜。
どれもとても新鮮で、身がぱっつりと引き締まりまるまるした野菜ばかり。
その次のカゴは薬味。
ワサビは毎回料理が出るたびにこれをおろしてました。
その奥は岩塩。これも料理がでるたびに削ってました。
そのさらに奥は、松茸。

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非常になまいきな言い方かもしれないけども、
カウンターのこの素材の数々を見て「うわ、すっごい店・・」
などと感心してしまった。俄然、注文に力が入る。
まっさきに目がいったのは「くじらのさえずり」。
そう、山口の下関で昨夏、握りで食べて舌でとろけたあの美味なさえずり。
こんなところでお目にかかるとは。
相変わらず脂身の部分はとろける。さえずりとは舌のこと。
ちょっと珍しいクジラの舌だ。茶色の部分はすこし硬い。
前はこの部分は出なかった。舌の根かな?ちょっと意外な食感。
脂身のほうが美味いと感じたが、どちらも珍しくて嬉しい。
ミンク鯨のさえずり 1300円。

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本物の明太子。400円ほど。
メニューに「本物の明太子」と書かれており気になって注文。
明太子はだいすきだが、これは美味。ほどよく上品に辛い。
同じく昨夏、博多に行ったとき食べ損ねたものだ。
昨夏の西日本旅行をなぞるようなラインナップで嬉しい。

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ジャンボにんにくを注文。上の画像がそうである。
ジャンボにも限度ってもんがあろう。これはでかい。
もはやタマネギ・・・
隣の席になったおじさんと若いおねーさんが、
これを見て「すごい!」と驚愕されていて、
さすがにこのサイズのニンニクをひとりで食べきるのも大変で、
おふたりにおすそわけをしたところ、上のウニをいただいた。
エビで鯛を釣るを地でいく物々交換・・・
店主さん、すみません。お客間でのこういうやりとりは、
すこしお行儀が悪かったかも、とあとでちょっと思いました。
ウニは一箱2800円ほど。すっごくあまくて美味いのに安すぎ。
ジャンボにんにくは、普通のニンニクと味は似ていましたが、
臭みはさほどなかったです。炭火でじっくり30分は焼いておりました。

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これも焼くのに15分ほどかかった、白金豚ソーセージ。
『わ』で出しているものより太いですよ、といわれて注文。
一本だが(『わ』は細いのが3本)確かに太い。
そしてマスタードまでこだわっていて美味。うまあああい。
ソーセージはまるで別物なので味は『わ』のものとは違いましたが、
こちらはこちらで、めっちゃくちゃ美味い。いやー。幸せ。

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しいたけ。これも炭火でじっくり焼き。
添え物がいちいち上質のものを使っており、
細部にまで「上質のものを最高のかたちで」とこだわっているのが伝わる、
ほんとうにほんとうにいいお店でした。

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メニューは肉、魚、野菜、多岐に渡る、
隠れ家的な、上品なカウンター居酒屋メニュー、といった感じです。
肉に関しては、少しだけ『わ』とかぶっていますが、
こちらのお店は店主さんがカウンター内で炭火で焼いてくださいます。
わたしはお魚は頼まなかったんですが、
おすすめに出ていたお刺身を出す場面を何度も見ましたが、
これもとても美味しそうで・・・・・・

ここは本当におすすめ。
店主は『わ』の店主に声も外見もそっくりですが、
こちらの店主さんはすこし穏やかそうな感じ(笑)でした。
(『わ』の店主さんは元気!って感じの方です)
お値段もごく普通で、わたしのお会計は4000円ほど。
とても満足のいくお店でした。
みなさま、大阪に行くときには是非!
焼きメニューは少々時間がかかりますのでご注意を。


和洋酒菜 ひで
大阪府大阪市中央区心斎橋筋2丁目1-3
06-6211-3391
月〜金 18:00〜01:00/土・祝日 18:00〜23:00
日曜定休
カウンターが10席ほどと個室があるそうです。
予約をされたほうがいいかもしれません。
また、場所が非常にわかりづらく説明しづらいので、
事前に地図で調べたほうがよいかと思います。

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2007年10月02日

大阪紀行2007秋 その3〜大人の遠足、飛田新地

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路地。
あまりに気に入ったので今日の日記の画像はワイド版でお届けします。
前回の記事はこちら
今回、飛田新地についてのこまかい内容をずいぶん端折って書いているので
興味のある方は是非ご一読を。

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「クズ入レルナコロス」
グリコ森永事件の「どくいりきけん」を思い出した。
こんな文字が見えてきはじめると、そこは大阪、新今宮の町。
立派なマンションなのに「保障ナシ、日払い可」って何故。


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大人の遠足、飛田新地へ。
おべんとうはJR野田駅前(ほんとに駅の目の前)にあった
「おはぎの丹波屋」で買ったまつたけごはん。すっごくおいしー。


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新今宮駅を下車すると、目の前にはあいりん職業安定所。
夕暮れになると、なにかを待つ?ための行列が。
仕事なのか夕飯の炊き出しなのかは不明。
あまりに行列が長すぎて先頭が見えないため・・・
この日は人手がぱらぱらでした。


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新今宮駅の脇路。
駅に沿った歩道は、青いテントがずらりと並びます。
この家は、リクライニングシート(しかも昔懐かしいタイプだ)有り、
洗濯干しあり、シートの上にはテレビのリモコンあり・・・
住み心地がよさそう。いいなあ。


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新今宮駅から地下鉄御堂筋線動物園前駅のほうまでてくてく歩くと
(時間にして徒歩3分ほど・・)2軒ほど、このような荷物預け所が。
家のない人たちは、仕事道具、ちいさな家財道具なんかを預けるんだろうか。
こういう場所ならではなお店だと思った。


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以前の日記にも掲載したが、ここらあたりの宿は異常に安い。
今回見たのは、そのいずれよりも綺麗な外観にも関わらず値段の安い宿。
一泊1300円、女性OK、テレビクーラー冷蔵庫付き、大浴場あり。
これはいいなあ。いいなあ。泊まってみようかな。

上の画像の、
「お部屋3万よりあります。テレビ、クーラー、ふとん付き、電気代込み」
この賃貸部屋、まるで旅館のよう。
ところでほかでもいくつかこの手の賃貸ポスターを見たのですが、
「電気代込み」ってこれは新今宮スタンダートみたい。こたつ付きとか。


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さて、飛田新地に来ました。
最寄駅は動物園前になるのかな。新今宮駅からだと徒歩13分ほど。
「座らない」はわかるが、
「飲まない、寝ない」はここらへんならではだなと思ったり。

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今回は夕暮れに来たため、女の子もお客さんも多かったです。
交渉場面も見ることができました。
女がひとりで歩いていると、嬢にもやり手ばばあさんにも
じっと見られるのは相変わらず。
ちなみに上の画像のレトロな長屋は普通の家みたいです。
アパートかなとも思ったのですが、そういうわけでもなく。
横やお向かいは遊郭です。どういったお家なのか気になりました。

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車で来るお客さんもいました。
お店の前に来るとスピードをぐんと落として、女の子の品定め。
交渉成立すると近くのパーキングに停めて戻ってきます。
交渉さえせず、遠くから女の子の顔を見て、
ぱっとなにも言わずお店に入ってくるお客さんもいました。
すっと立ち上がってお客さんのあとをついて階段をのぼる女の子。
そういう人も多いのか、お客さんもさっさと階段をあがっていくし、
女の子も黙ってついていきます。慣れた感じ。
夕暮れの、17時くらいのこの街は、
すこしずつ明かりがついていき、にぎやかになる少し前。
意外とお客さんがきているのか、開いているのに女の子がおらず、
どうやら大繁盛の様子でした。

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裏手の道に2軒ほどあった、閉店してしまったお店。
すこしさびしい感じ。
この道を子供が自転車で走ってました。
ここらの子供にとってはこの遊郭の一角もただの遊び場なんでしょう。
さすがに遊郭ど真ん中までは入ってなかったみたいですが、
わき道には子供がよくおりました。

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今回驚いたのがこれ。
飛田新地からわずか徒歩1分、ほんの裏手にあるマンション。
たった道を一本はずれただけで、ごく普通の風景が広がります。
どちらかというと、飛田新地は町の一角、といった感じで
四角の箱庭のなかにある感じで作られて(というか残されて)います。
このマンションに抜ける商店街などは、
いちばん上の画像がそうなのですが、いわゆるよくあるこのあたりの町。
このマンションのあるあたりから急に開けて、こういう風景に。
マンションから先は区画整理で新しい、いまどきの町なんでしょう。
道をひとつ隔てて、
古きよき時代の風俗街と死にかけた浮浪者が道路のど真ん中で横たわり
大渋滞を引き起こし、手押し車にダンボールを積んだ親父が車と一緒に走る、
そんな新今宮の町がいつまでもこのままであることを祈りつつ、
今回の大人の遠足の幕をおろしたいと思います。

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飛田新地からすこしはなれたところにある路地。
ここの路地はほんとうに懐かしくて遠い昭和を思い出させる路地で、
ずいぶん気に入って行ったりきたりしました。
単車からリヤカーから、扉や、
台所の小窓の向こうの食器やら、細部にわたるまですべて「昭和」。
住んでるにいちゃんは普通のパンクのにいちゃんでガッカリでした。
「クズ入レルナコロス」の電柱はこのすぐ裏手。
そのすぐ横には小学生が空き地で野球をして遊んでおり、
その外側をぐるりと浮浪者の方々がずらり座っていたんですが、
皆さん、じっと懐かしそうに目を細めて子供を見ておりました。
彼ら、いろんなふうに言われていますが、すこし可哀想な気がしました。

毎度書いておりますが、
カメラ撮影は堂々としないよう、(追いかけられます)
遊郭をモロに撮影しないよう、(場合によっては追いかけられます)
女性のひとり歩きは日中でも充分気をつけるよう、(レイプ事件あります)
また、手持ちの貴重品には重々お気をつけください。
ひったくり被害はいまでもわりとあるそうです。
posted by さくらこ at 00:00| 東京 ☁| Comment(10) | TrackBack(0) | 旅行記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年10月01日

大阪紀行2007秋 その2〜母と歩く新世界

昔、大阪の生まれの母に、
「新今宮のへんには行ったらあかんよ!
天王寺の一心寺さん(大阪のひとはなぜかお寺にさんづけ)からも
歩いて近いさかい、お墓参りのときに迷い込まへんようにな」
なんていわれてたもんです。
当然、言うことなんか聞く私じゃないので、
叔父のお葬式のとき、大国町(だったかな)の叔父の会社の近くで
葬儀が行われた10何年か前、夜中にひとり会場を抜け出し、
通天閣まで歩き、ヤクザと浮浪者であふれる夜中の街にビビり、
ダッシュで逃げ帰ったことを思い出します。
いま考えるとそこって「新世界」。
知らずとは言え、とても危険なことをしてたんだなあ自分。
つくづく、親の言うことは聞くもんです。

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一心寺さんへのお墓参りをすませ、母と新世界までやってきました。
タクシーの運転手さんに「通天閣の下まで」と告げると、
本当に通天閣の真下に止めてくれました。
あまり見れない角度、通天閣の真下より。
階段があるんだな。通天閣。

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こういう看板を見ると、ミナミのへんに来たんだなあなんて思います。
大阪独特だな。
そして新今宮駅の構内にあったコインロッカーのこの値段。
1日300円なので・・場所が場所だけに、中身を考えるのが怖い。


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大阪の生まれとはいえ、こういう街にまったく免疫のない母。
新世界、いまでこそ立派な観光地ですが、
一歩わき道に入ると今でも結構怖いところです。これを観光地にしてるところがまた。
いや、いいところだとは思うんですが、観光客はなにも知らずに来ているわけで。
で、特にわたしのお気に入りなのが、この「串かつ ヒカル」というお店。

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お店のひとが露天で焼いているこれは、韓国風ホルモン鉄板焼き。
ほどよく辛くてめっちゃ美味しい。お店の看板商品。


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串揚げ。キスとかしょうが、適当に揚げていただく。
これはソースで。二度漬けお断り。


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これもものすごくオススメ。
ホルモン揚げ。これは塩でね、とお店のおっちゃん。
一本50円ほど。
カリカリサクサクの衣、噛むとじゅっとホルモンのうまみが出て絶品。


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大阪名物どて焼き。私は二度目。
母は初めて食べるそうで・・
大阪に生まれて、住んで、いままでなにを食べていたんだろうか、
と思ったけど、母の生まれは京都に近いあたりなので・・あっちにはないんだろうか。
大阪も場所、場所によってずいぶん文化が違うんだろう。
すこしカタクリコが入ってとろみがつけられており、
二度目のどて焼き、相変わらず好き嫌いにきっぱり分かれる食べ物だと思いました。

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鉄板焼き、ホルモン焼き、串揚げなどなど、
いろんな大阪の名物料理を改めて母に食べさせてみて、
「どれがいちばん美味しかった?」
と聞くと、
「辛いやつ」
と答えた。画像にはないが、チャンジャのことである。
初めて食べたチャンジャは、ごはんがほしくなるほど旨味と辛味があって
ずいぶんお気に入りの様子だった。韓国人の多いここ大阪では、
キムチもチャンジャも東京以上に生活に浸透していると思う。
ここで食べたチャンジャは確かにすごく美味しかった。
鉄板焼きもずいぶんお気に入りの様子で、「また来たい」と嬉しそうだった。

ここは母のあまり好きでない町、新世界である。
母は、お墓のある天王寺以外のミナミの町にほとんど足を踏み入れない。
この日の移動はすべてタクシーだったため、
ここが新世界〜新今宮のあたりだと気が付かないかなと思っていたら、
そんなわけはなく(当たり前だ)、
「あんたもこんな物騒な町をちょろちょろするようになったんやな」
と帰り際に言われた。
前ほど厳しくミナミのあたりをうろつくな!と言われなかったのは、
意外と足を踏み入れてみると、
安くて美味しくて、きさくなお店のある、
そんな新世界の街を知ったからだろうと思っている。
ここはそんな、いいお店のひとつだ。

ジャンジャン横丁の「八重勝」も美味しいと聞いたので一度行ってみたい。
超有名店らしいけど・・

posted by さくらこ at 00:00| 東京 ☀| Comment(1) | TrackBack(0) | 旅行記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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