8月5日
超てきとうな道路案内。
青森の朝。
リクライニングではなく、
フラットルームで足を伸ばしてゆったりと寝れたおかげで良い目覚めだった。
しっかり寝すぎて寝坊したほどだ。
ありがたくないなあ。


五能線で日本海側をぐるりとまわって秋田に行く予定だったが、
乗り過ごしてしまったため急遽変更。
近道の路線を通って秋田へ向かうことにする。
景色と自己満足のための五能線の旅の予定だったが、
五能線に乗らないとなるとかなり時間があまるため、
青森、弘前で時間をつぶすことにした。
上の画像は、
青森の駅近くにある地下の朝市場で食べた「大間のマグロ丼」1600円。
脂身たっぷりで舌にのせると熱でじわりと脂がとろけはじめる。
TVで有名になってからなかなか手に入らなくなってしまった。
ニセモノも多いので注意。
マグロについて詳しい記述は
ここをどうぞ。

さて青森といえば、思い浮かぶ食べ物は大間マグロだのウニだの
いちご煮だの馬刺しだのとそういった有名どころもあるが、
ラーメン好きとしてはこれも見逃せない。津軽ラーメン。
青森市内ならいちばんの有名どころである
「くどうラーメン」に行きました。
「ラーメン発見伝」の青森編にも出てたお店。
オープンが早朝で助かります。
画像はお子様向けの小サイズ、400円。
焼干しを強烈に使った、魚介強めのスープにちぢれ麺。
はっきり言ってかなり旨いです。東京ラーメンと似とるね。

青森港。
鈍行で青森を離れ、弘前に向かいます。
ねぷたとねぶたの違いは、
弘前か青森かの違いでした。
ずっと不思議でした。
昨日は青森ねぶた。これは弘前ねぷたです。


青森と弘前は意外に近い。
弘前ねぷた祭りは、ほぼ日程が青森ねぶたとかぶって進行。
東北のおまつりはどれも期間が近いので、
うまく回れば全部見れるようにできている。18きっぱーに優しい。
しかし青森ねぶたを取ったために、弘前には昼間に通過するだけになった。
ねぷたは夜間の祭りなので当然見ることができない。
がっかりしつつ弘前の町を歩いていたら、偶然、ねぷたの準備を発見。
小雨がぱらついていたため、道路のど真ん中をものすごい数のねぷたが占拠し、
ビニールをかけている。3車線の道路は1車線以外ねぷたで埋まってしまっている。
自衛隊のジープにつきそわれてねぷたが入ってきた。
全部に自衛隊がつきそうのか、まあ国道を占拠してるわけだしなあ、
と思っていたら、そのつきそわれていたねぷたは自衛隊のものだった。

だらっだらに汗をかいてしまったわけだが。
東北は都内に比べれば確かにかなり涼しいが、それでも真夏だ。
暑いものは暑い。
本当は昨日の夜の宿泊は、青森駅前のカプセルホテルの予定だったのだが、
ねぶたのおかげで全室満室で、シャワーをあびることができないままでいた。
弘前でずいぶん時間をもてあましたので、駅で銭湯の場所を聞く。
画像の銭湯は「梅の湯」という、駅から徒歩15分ほどの場所にある銭湯。
昔ながらの昭和スタイルを完全に維持しており、
いまどきの、再現銭湯というわけでもなく普通に残っている希少な銭湯で、
新聞などにも取り上げられたそう。
そうそう、懐かしいね。このカサ立て。カギつきのね。
時間が早かったせいもあってお客は私ひとりだったのだけど、
どんどんお客さんが増えて、明らかに旅人の外見の私を見て、
番台のおばあさんやお客さんに次々に質問をされてしまった。
「ひとり旅はええやね、ひとりがええね、好きなことできるもん」
と言った番台のおばあさんは相当な旅好きだそう。

銭湯の外にあるコインランドリー(これもまた相当古くて良い情景)で
3日分の洗濯物とバスタオルを洗濯。
乾燥機で乾ききれなかったバスタオルを、
日よけも兼ねて物干し竿代わりに頭にのせる。
小雨と暑さのせいで、さほど満ち行くひとに不思議がられはしなかったが
どう見ても完全に不審者である。

秋田駅を下車。
弘前から秋田までの道のりも、そこまで長くはない。
これが五能線を経由してだと、それだけで半日は潰れるのだが。
さて上は、秋田駅前で祭りまでの時間つぶしに入ったお店で食べた
「はたはたずし」である。
注文の際、店員のお兄ちゃんに
「はたはたずしは普通の寿司と違いますが、大丈夫ですか?」
と聞かれたので、
「ああ、はい、発酵させたやつですよね。大丈夫ですよ。」
と切り返すと、
「え?発酵?」と不思議そうな顔をされたが、発酵です。発酵ですよ。

こちらは秋田と言えば、の「きりたんぽ鍋」。
正直、あんなもの、と食べたこともないくせに馬鹿にしてましたが、
めっちゃめちゃ旨かったです。ごめんなさい秋田県民。
秋田の名物鍋というと「きりたんぽ」と「しょっつる汁」の二大勢力。
もち米を練って棒に刺し、いろりでゆっくり焼いたものを、
はずしてチクワのようになったものを鍋に入れ、
比内地鶏でとったダシで野菜、地鶏の肉とともに煮込んだもの。
ちなみにうちの帝王(43)曰く、
「きりたんぽってどう見てもタンポンだよね」
とのことですが、いや結構みんな思ってるんだろうなあと思いますが、
ウィキペディアには
「たんぽとは本来、稽古用の槍につける綿を丸めて布で包んだものを指し、
杉の棒にご飯を巻き付けたところがたんぽをつけた槍(たんぽ槍)に
似ていることからその名が付いた。」
とのこと。タンポンの名前の元も案外同じなのかもしらんね。
にしても、まあ、この劇的な美味さはいったい何。
心底驚いてしまった。

ちなみにこちらは駅前のデパ地下で売られていたはたはたずし。
地元デパ地下食品売り場には地元モノ珍味売られてるので必見。

竿燈まつりスタート。
じわじわとスタート地点から、このようなちょうちん隊が出てくる。
たくさんちょうちんがぶらさがった竿のようなもの。
よくテレビの映像で見る、竿燈まつりのあの高い竿は何処。

と思ったら、それぞれの決まった位置まで来ると、
合図にあわせて一斉にちょうちんを立てはじめる。
あそこでもここでも。ひょいひょいと。
竿を立てると、映像で見るあの光景。

ちょっとわかりづらいが、
このひとはてのひらに、数メートルはある、ちょうちんのぶらさがりまくった
重い竿を乗せてバランスをとりつつ立てる。
ちょうちんの光が夜にきらめき、あちらこちらで綺麗に輝きを放つ。
あまりにも綺麗な光景。
竿をてのひらや腰や額で立たせる、その技術の素晴らしさ。
昨夜の青森ねぶたとはまったく逆だが、
これもまた本当に美しく、感動する祭りだった。

お祭りの会場のあちこちで売られている「ばばべらアイス」。
売っているのは必ずおばあさん。
名前の由来は、婆がベラ(ヘラ)で作るアイス、という意味だそうで、
クーラーボックスに入った、アイスで、こんな綺麗にバラを作ってくださる。
こんな綺麗なのに、200円。技術もすごいが、忙しくなると適当になる(笑)
お客さんの少ないときを狙って頼むといいと思う。

人ごみもすごく、身動きひとつ取れない中で、
押し合いへし合いで割り込まれ、イラつくことも多かったが、
祭りの終了後、ひとつの団体さんが、
駅前の商店街で、数十人の通りがかりの観光客さんたちに、
より近くで、より快適に見やすく、と、
演舞を披露してくださった。そのお心遣いに感謝。
上は、腰で竿を立てている様子。
下は額。
画像に映りきっていないが、竿の高さは相当なものである。
本当にすごいと思う。たくさんのひとがやっていたが、
秋田県民は幼いころから技術を叩き込まれているんだろうか。


本日の宿泊は秋田駅構内から続いている建物のなかにあるネットカフェ。
昨日、ねぶたのおかげで予約のとれなかったカプセルホテルの二の舞が怖く、
祭りの始まる前に、事前にネットカフェで予約をしてきた。
今回もしっかり横になって眠れるフラット席。
案の定、祭りが終わって行ってみると満席。
予約をしていて本当によかった。
あまりネットカフェのない地域では、予約がいいかもしれない。
特におまつりの時期などは、要注意だと思う。普通のホテルでも。
同じフラット席でも昨日よりかなり狭かった。
気の利いた小物も少なかった。
昨日の青森のネットカフェはいままででいちばんよかったかもしれない。
歩くと30分以上かかるけど。
今日は洗濯物で乾ききらなかったものを、
持参していた折り畳みのミニ物干しに干してから寝た。